クレーメル・プレイズ・ヴァインベルク
(2枚組)



Amazon.co.jp : Mieczyslaw Weinberg

Tower@jp : ヴァインベルク作品集

<曲目>
[1]無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第3番作品126
[2]弦楽三重奏曲作品48
[3]ヴァイオリンとピアノのためのソナチネ 作品46
[4]ヴァイオリン小協奏曲 作品42
[5]交響曲第10番 作品98



3月も半ばを過ぎて、さすがに春めいた陽気になってまいりました。
今日は天気もよく、上着を着ていると汗ばむほど。
カーラジオからはキャンディーズの「春一番」が2回も流れてきました。
考えてみるとこの曲、真夏に流すわけにも大晦日に流すわけにもいきません。
今流さなくていつ流す、って感じですね。
「今なんです、わたしには今この時しかないんです!」という曲の叫びのようなものを感じました(←大げさ)。


しかし、このうららかな日曜日に私が主に聴いていたのは、
ギドン・クレーメルによる、ミェチスワフ・ヴァインベルク作品集。

なんて暗くて、屈折して、冷え冷えとした音楽・・・

 サイコーです!(←変)

それにしても、ついにクレーメルまでヴァインベルクに手を出すとは・・・。
よっぽど弾く曲がないんでしょうか?(←失礼)

冒頭の「無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第3番」から、物凄い緊張感。
希薄、もとい気迫のこもった、鋭角に切り込むような演奏です。

基本的に渋めの選曲となっておりまして、初めてヴァインベルクを聴く人にオススメできるかは微妙なところ。
ただし、渋いながらも名曲ぞろいで、演奏のクオリティは最上級。
「弦楽三重奏曲」なんか、いままで聴いていたCDとは格段の差です、さすがはクレーメル
録音もすごくいいと思います、さすがはECM

 ヴァインベルク/弦楽三重奏曲・第3楽章(このCDの演奏ではありません)
 

「ヴァイオリン小協奏曲」も、以前ご紹介した演奏では、「田園協奏曲」みたいなのんびりしたものを感じる、と書きましたが、
クレーメルの録音だと緊迫感2割増し、立体感のある録音も相まって、さらに深みのある曲に聴こえます。

 ヴァインベルク/ヴァイオリン小協奏曲・第3楽章(このCDの演奏ではありません)
 

メインは世界初録音となる「交響曲第10番」
弦楽合奏というか、17人の弦楽器奏者のための交響曲です。
チャイコフスキーの弦楽セレナーデを奈落の底にたたき込んだような冒頭から、ただならぬテンションの高さで聴く者を引っ張っていきます。
第2楽章は部分的に12音技法で書かれているそうで、ヴァインベルクの最も前衛的な作品の一つでもあります。
クレメラータ・バルティカは、2012年にこの曲でコンサート・ツアーを行っており、満を持しての録音。
超難曲にもかかわらず、完璧すぎる演奏を繰り広げていて、文句のつけようもございません。
ございませんが・・・・、とにかく暗い、重い、苦しい、暗黒。 
そういう曲ですのでご承知おきのほど。
間違いなく傑作なんですけどね。

(2014.3.16.)

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