ヴァインベルグ/交響曲第16&14番
(Gabriel Chmura指揮 ポーランド国立放送交響楽団)



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Tower@jp : WEINBERG:SYMPHONIES VOL.3:NO.16/NO.14



ポーランド生まれでロシア(ソ連)で活動した作曲家ミェチスワフ・ヴァインベルグ(1919〜1996)、
今年没後10年なんですが、全く注目されませんね〜。
ここまで注目されないと、いっそ清々しいですが(負け惜しみ)
それでもシャンドス・レーベルから2年ぶりに、交響曲シリーズ・第3弾がリリースされました。
今回は16番14番、うち16番は世界初録音です。

第16番(1981)は単一楽章の30分ほどの曲(6つのトラックに分けられています)。
全体として自由なソナタ形式になっているようです。
重々しいメロディが雄大に歌われる曲頭から、ヴァインベルグ節が全開。
おお、この重苦しさ、この悲愴感、これだ、これなんだよっ!!(なにを興奮している)
第4部分は、ピアノをフィーチャーした、ヴァインベルグお得意の狂騒的楽章(展開部に相当)。
そのくせ最後は叙情的に、ひそやかに終わるところが、この作曲家らしいです。 ミステリアス〜。

 交響曲第16番より第4部分
 

初演時の批評から
 「このリリカルでドラマティックな交響曲には、新しい手法は全く使われていない。
  しかし聴くものを、予想外かつ新鮮で、確固たる音楽世界に案内してくれる」
                          ↑
    ★輸入盤のライナーノートから、わかる単語をつなぎ合わせて解読いたしました(暗号かい)。
     誤訳があるかも・・・。

第14番(1977)も、やはり30分ほどの単一楽章ですが、4トラックに分けられています。
ヴィオラの静かな歌(ラルゴ)に始まり、にぎやかなアレグロ楽章を経て、
さまざまな楽器のソロが現れては消えてゆく瞑想的アダージョへ、
そしてフィナーレではホルンのファンファーレが鳴り響き、力強く幕を閉じます。

 交響曲第14番よりフィナーレ
 

初演時の批評から
 「ショスタコーヴィチストラヴィンスキーの、奇想を凝らした混合物のような音楽。
  ドラマ風の展開、空間的な幅広さ、見事な叙事詩的表現は、明らかにロシアの伝統に根ざしている。
  マーラー的要素もあるが、その扱いはやはりショスタコーヴィチを思わせる。
  ただ、全体としては素晴らしく個性的である」
   ・・・褒めてますよね、これ? 

どちらも良い曲ですが、これまでのリリースにくらべると、ややとっつきにくいかもしれません。
はじめてこの作曲家を聴かれるなら、シリーズ第1弾(交響曲第5番&シンフォニエッタ第1番)が良いかも。

(06.11.20.)


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