あははははは、またモイセイ・ヴァインベルク(ミェチスワフ・ヴァインベルク)(1919〜1996)のCDだあ。
いったいどうしちゃったんだろうなあ、次から次へと出るわ出るわ、タガが外れたかのようです。
しかも今回は、名曲「交響曲第6番」じゃないですか!
なんと、巨匠フェドセーエフの演奏、2010年のライヴ録音ですっ!
初演者コンドラシンのディスクが、入手困難になりかかっている現在、これは見逃せません。
早速購入して、曲目を見ると、「おや?」
ヴァインベルク「交響曲第6番」の演奏時間が27分01秒となっています。
おっかしーなー、たしか40分を越える曲だったはず・・・と思いコンドラシン盤を見ると、やはり42分06秒。
滅茶苦茶速い演奏なのかな?
・・・と思ってこわごわ聴いてみました。
結論から申しますと、第3楽章と第5楽章に大きなカットがあります。
第3楽章の後半部分がすっ飛んでしまっており、第5楽章も半分以下に短縮されています。
こういうショート・ヴァジョンが存在するのかどうか、ライナーノートにも言及はなく、謎ですが、
コンドラシンで慣れ親しんだ耳には違和感ありまくりです。
あの狂悪粗暴壮絶乱舞・大型台風暴風雨圏ど真ん中のような第3楽章スケルツォが、
たった3分で終っちゃうなんて、あんまりにも物足りないわっ!!
第5楽章の児童合唱による天上の響きも、いざ佳境に入ったと思ったら、
「それじゃこのへんでー」と、そそくさ終わってしまうのです、なんですかこりゃ。
うーむ、演奏自体は悪くないのですが・・・。
体質的に30分を越える交響曲を受けつけないかた以外には、コンドラシン盤をお勧めしたいと思います。
同時収録はシマノフスキ/交響曲第3番「夜の歌」。
ペルシャの神秘主義の詩人・ジャラール・ウッディーン・ルーミーの詩を歌詞に用いた声楽つき作品。
マーラー「大地の歌」、ツェムリンスキー「叙情交響曲」とあわせて、
「後期ロマン派・諸行無常的厭世的耽美的東洋趣味声楽つき交響曲3部作」(←長い)と、勝手に呼んでおります。
演奏はかなり濃厚かつ重量級、ねっとりと粘りつくような響きにぞわぞわします。
独唱にソプラノを起用しているのも好みです(通常はテノール)。
なお、シマノフスキ/夜の歌に関しては、こちらの記事も参照してください。
ボリス・チャイコフスキー/主題と8つの変奏 も面白い曲。
シンプルな主題が、ミニマル・ミュージック風に変奏されてゆきます。
17分の曲ですが、ボリチャイらしくウイット満点、多彩な展開に退屈する間もありません。
(11.2.10.)