ヴァインベルク/交響曲第1番&チェロ協奏曲
(2008録音)



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HMV/ Weinberg : Symphony No.1 & Cello Concerto icon

Tower@jp : Weinberg: Symphony No.1 Op.10, Cello Concerto Op.43



やっぱり生誕90年だからでしょうか。
今年は、わが愛するマイナー作曲家である
モイセイ・ヴァインベルク(ミェチスワフ・ヴァインベルク)(1919〜1996)のCDが、リリース・ラッシュでした!

室内交響曲第1&4番交響曲第2番&室内交響曲第2番が廉価で再発されたほか、協奏曲を集めたCDがシャンドスから出ました。
cpoの弦楽四重奏曲全集も第3巻まで進行し、ヴァイオリン・ソナタ第4&5番のCDも出ました。

そしてこれは、一番最近リリースされた、交響曲第1番(世界初録音)と、名曲・チェロ協奏曲のカップリング。
ファンとしてはもう、うれしい悲鳴をきゃあきゃああげるしかありませんね(←不気味なやつ)
しかし日本に何人いるんだろう、ヴァインベルグのファンって・・・?

45人くらいかなあ・・・・(淋)。

交響曲第1番(1942)は、23歳の作品。
ユダヤ人であったがため、故郷ポーランドで家族全員をナチスに殺害され、命からがら単身ソ連に逃れて間もないころの作品ということになります。
自身を襲った悲劇は、曲にはあまり影を落としておらず、明るく伸びやかな音楽であることにびっくりしますが、
むしろいろいろなことを忘れるために作曲に没頭したのかもしれません。
ただ、先輩であり友人であったショスタコーヴィチを思わせる箇所は多く、作曲者も「彼の5番に影響を受けた」と述べており、若書き感はぬぐえません。
それでも独特のロマンティック風味も存分に発揮された、力強い大交響曲(40分!)。
23歳でこれほどの作品を書くとは、空恐ろしいまでの才能、まさに天才でしょう。
とくに巨大なフーガの第4楽章は圧巻!

 交響曲第1番・第1楽章
 

 交響曲第1番・第4楽章
 

チェロ協奏曲(1948)は、以前にもご紹介したことがありますが、いやあー、まさかこの曲がまた録音されるとは思ってもいませんでしたね。
モノ好きな人もいたもん・・・もとい、ありがたいことです。。

これは全編「うた」にあふれた美しい協奏曲。
ユダヤっぽい香りがそこかしこに。
「屋根の上のチェロ弾き」(危ないなあ)って感じですかね。

 チェロ協奏曲・第1楽章
 

第1楽章アダージョでは、管弦楽の控えめなサポートに乗って、チェロが叙情的で哀感に満ちたユダヤ風のメロディをとうとうと歌い続けます。
第2楽章モデラートはゆるやかな踊りのように始まり、徐々に管弦楽を巻き込んでゆきます。
第3楽章アレグロはスケルツォ、乱舞です。 チェロはソロ・ダンサーのように大活躍。
後半はカデンツァとなり、第1楽章の主題が回想されます。
第4楽章はアレグロのフィナーレ、クライマックスで第1楽章の主題がもう一度再現され、最後はしんみりと閉じられます。

当時ソ連を席巻していた「社会主義リアリズム」のおかげ(?)で、たいへんクラシカルな、非20世紀的な音楽です。
でも20世紀チェロ協奏曲の傑作だと思います、いやマジで。

以前ご紹介したドロビンスキー盤は、重厚でダイナミックな演奏でした。
それに比べるとこのクリコフ盤は、やや軽快で活発な感じ。
迫力のドロビンスキー、洗練のクリコフ。
どちらも作品のココロをしっかり伝えてくれる良い演奏だと思います。
(あと、ロストロポーヴィチも録音しているようですが未聴です。)


(09.12.22.)

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