ヴァインベルグ/室内交響曲第1&4番
(スヴェドルンド指揮 ウメオ交響楽団)


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偏愛するマイナー作曲家の一人、モイセイ・ヴァインベルグ(1919〜1996)。
またの名をミェチスワフ・ヴァインベルク、英語つづりも"Weinberg"だったり"Vainberg"だったりします。
ややこしいですなあ。

さてずっと以前に彼の室内交響曲(ラフレフスキー盤)をご紹介しましたが、残念ながら現在は入手困難のもよう。
しかしこのたび、スヴェドルンド指揮/ウメオ交響楽団の演奏が廉価で再発されました。
今はなきオリンピア・レーベルからたくさん出ていたヴァインベルグ・シリーズの1枚です。

いやあー、うれしいですっ!
オリンピアのヴァインベルグ・シリーズは、持っていないのが結構あるのですっ!
これから順次再発されてほしいですっ!

とりあえずこのCDは持っていたけどご祝儀代わりに買いました。
来月には同じ演奏者の「交響曲第2番/室内交響曲第2番」も出るそうです。
これも持ってるけど安いから買います! ご祝儀ご祝儀。

「室内交響曲」は、どれも晩年の作品。
じつはヴァインベルグさんは、交響曲第19番の発表後、

 「交響曲にこれ以上大きな番号をつけるの、なんかカッコわるくね?

と思ったんだそうです。
よくわかりませんが、ヴァインベルグ氏の美学としてはそうだったんですね。

そのため本来「第20番」になるはずだった作品の自筆譜の表紙には、いろいろなタイトルを書いては消したあとが見られ(ラフレフスキー盤のブックレットに載ってます)
結局「室内交響曲第1番 作品145」に落ち着きました。
ヴァインベルグはこのあと、「室内交響曲」を第4番まで書きます。(もっとも、その後ふたたび「交響曲」と題した作品を2曲書くのですが・・・)


その室内交響曲第1番 作品145(1986)は、弦楽のための古典的な4楽章。
ショスタコーヴィチをロマンティックに、あるいはプロコフィエフを優雅にしたような、上品で洗練された曲です
(いやべつにショスタコやプロコが下品だとか洗練されていないとかじゃなくて・・・)
しかしそこは苦難の人生を送ったさすらいのユダヤ人ヴァインベルグ、第2楽章中間部の悲痛な叫びや、無垢な祈りのような第3楽章など、深いです、沁みます。
とはいえ基本的にはチャーミングなディヴェルティメント風、交響曲第5番と並んで、ヴァインベルグを初めて聴かれる方にも安心してオススメできる一曲。

 

室内交響曲第4番 作品153(1992)は、弦楽とクラリネットのため
「クラリネット協奏曲」と呼ぶには、クラリネットの活躍がやや少ないです。

聴きながら勝手に膨らませた、私のこの曲のイメージは・・・、弦が描き出す荒涼たる草原を、ひとり旅するクラリネット
クラリネット吹きながら歩くスナフキンでも想像してください(←それ絶対変)
竜巻に翻弄されたり(トラック7)、ほかの旅人(独奏ヴァイオリン&独奏チェロ)と出会って、しばらく一緒に旅をしたり(トラック8)
でもいつしかまたひとりぼっち。
過去の思い出を回想して、すこし楽しい気分になったりもしますが(トラック9)、我に返ればクラ吹いてもひとり、さすらいの旅は果てしなく続くのです。

・・・第1番に比べるとかなり暗いです。
しかし、「永遠のさすらい人・ヴァインベルグ」らしさがよく現れているのは、じつはこちらの曲のほうかもしれません。

(09.5.31.)


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