ボリス・チャイコフスキー/セバストポール交響曲、
管弦楽のための音楽、交響詩「シベリアの風」

(フェドセーエフ指揮 モスクワ放送交響楽団)
(CHANDOS CHAN 10299H)




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HMV : Boris Tchaikovsky/Sebastopol Symphony

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旧ソ連の作曲家、ボリス・チャイコフスキー(1925〜1996)、
最近、一部で「ボリチャイ」などと呼ばれて、若干認知度が上がっている・・・かな?
(・・・たぶん気のせいでしょう)


「セバストポール交響曲」(1980)
実質的には「交響曲第3番」です。
セバストポールはクリミア半島にある都市。 1855年にクリミア戦争の激戦地となり、1942年にはドイツ軍に蹂躙されと、さまざまな悲劇を経験した街ということです。
ただし作曲者は、セバストポールを訪れることなくこの曲を書いたそうで、聴く人にもセバストポールの歴史を思い起こす必要はない、と述べています (なら何のための標題だ?)
言動・音楽ともに妙にひねくれているボリチャイさん、いきなり怪しさ大爆発です。

 しかししかし、なんとすばらしい曲であることよ!
 
曲は単一楽章で約35分。 悲劇的で幻想的なトーンに彩られています。
メロディらしいメロディはほとんど出てきません。
短い動機を執拗に繰り返し、潮が満ちるように盛り上がり、また新しい動機を繰り返し、延々続いてゆく、
大平原を走る列車の窓から、徐々に移り変わる景色を眺めているような感じでしょうか。
メロディが少ないぶん、かえっていろいろな映像を喚起させます。
ちなみに全曲を貫く、メインの動機は「レミミーレミミー」、これじゃメロディとはいえません。
構成らしい構成は感じられないのに、とても劇的、緊張感が途切れません。
魔術のような不思議な曲です。 
「ボリチャイ大サーカス!」・・・じゃなかった「ボリチャイ大マジック!」と呼ばせていただきます。

 

「管弦楽のための音楽」(1987)は、7曲からなる組曲。
さらに切り詰めた表現で、独特の音世界を作り上げます。
この厳しさ、無駄の無さ、俳句に通じるものがあるような気がします。


交響詩「シベリアの風」(1984)
これまたシンプルなのに表現豊か。
極寒の地を吹きすさぶ風と、荒涼とした景色が目に浮かぶよう。
聴いてると部屋の温度が5度くらい下がるような気が。

 

(05.6.13.記)

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