ヴァインベルグ/交響曲第5番、シンフォニエッタ第1番
クムラ指揮/ポーランド国立放送交響楽団
(CHANDOS CHAN10128)


Amazon.co.jp. : Weinberg: Symphonies, Vol. 1

Tower@jp : Weinberg: Symphonies Vol 1 / Gabriel Chmura, Polish RSO

全国83人(推定)のヴァインベルグ・ファンの皆様こんにちは。
ナクソスに続き、イギリスを代表するクラシック・レーベルであるシャンドスが、ミェチスワフ・ヴァインベルグ(1919〜96)の交響曲のリリースを開始しました!
「Symphonies Vol.1」ということは、今後も続くということ・・・ですよね。 期待しています。

「交響曲第5番」「シンフォニエッタ第1番」のカップリングです。

「交響曲第5番」(1962)は、ショスタコーヴィチの第4交響曲に触発されたという45分の大曲。
ショスタコーヴィチの第4交響曲といえば、1936年に渾身の力をこめて完成させたものの、あまりに前衛的な内容のため、
発表したら当局ににらまれると判断した作曲者自身が初演直前にひっこめてしまい、1961年になってやっと初演されたという、いわくつきの曲。

ヴァインベルグの5番は、大オーケストラを存分に鳴らすという点では影響を受けているようですが、
独特の叙情性、クネクネした音の動き、郷愁を誘うメロディなど、ヴァインベルグ自身の個性がまぎれもなく刻印されています。

第1楽章アレグロ・モデラート、第2楽章アダージョ・ソステヌート、第3楽章アレグロという古典的な楽章構成をとると見せかけて、
第4楽章フィナーレは12分を越えるひそやかに謎めいたアンダンティーノ
消え入るように終わるところは、さすらいの叙情作曲家ヴァインベルグの面目躍如。
あ、でも終わり方はショスタコの4番と良く似てるなあ。

 交響曲第5番・第1楽章 (緊張感とロマンの絶妙なブレンド、品格に満ちた楽章)
 

 交響曲第5番・第4楽章 (交響曲のフィナーレがアンダンティーノ! しかし堂々とした名曲です)
 

「シンフォニエッタ第1番」(1948)は、4楽章20分余りの作品ですが、
こちらはもう能天気なまでにハジけてます、華やかです、うるさいです、エキゾティックです。
ピエロや象がにぎやかに舞い踊るサーカスの情景を連想します。
一抹のさみしさ・悲しみも感じられるところが、またサーカスっぽかったり。
職人的な腕の確かさが存分に発揮された楽しい曲です。
ヴァインベルグ初体験の方は、こちらから先に聴かれたほうが良いかも。

 シンフォニエッタ第1番 第1楽章 (理屈抜きで楽しい!)
 

なお、ヴァインベルグの名前、オリンピア・レーベル盤では"Vainberg"とつづられていましたが、シャンドスでは"Weinberg"とつづっています。

(04.3.27.記)

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