ヴァインベルク/無伴奏チェロのための24の前奏曲
(ギドン・クレーメルによるヴァイオリン編曲版)
(2018録音)



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親分:ギドン・クレーメル(1947〜)は最近ミェチスワフ・ヴァインベルク(1919〜96)にはまっているようだな。

ガラッ八:このサイトの管理人も首までどっぷりヴァインベルク中毒ですけどね。

親分:比較するのもおこがましいわ! 向こうは世界的なヴァイオリンの巨匠だぞ!
  これまでクレメラータ・バルティカを率いて「交響曲第10番」「室内交響曲全集」をリリースしてきた。
  そしてヴァインベルク生誕100年の2019年に、「無伴奏チェロのための24の前奏曲」(1968)をヴァイオリンに編曲したCDを出してきた。

ガラッ八:「無伴奏チェロのための24の前奏曲」とは、ヴァインベルクもまた妙な曲を作ったもんですね。

親分:「ピアノのため」なら珍しくないが、チェロとはなあ・・・。
  曲はロストロポーヴィチに献呈されている。
  ロストロポーヴィチは「チェロ協奏曲」も献呈され演奏も録音もしているが、この「24の前奏曲」は一度も演奏しなかったらしい。

ガラッ八:それは残念ですねえ、なんでですかい?

親分:無伴奏チェロで40分以上かかる曲をコンサートで弾くのはちょっと難しいよな。
  それにロストロポーヴィチは1970年にソルジェニーツィンを擁護したことで共産党から反体制のレッテルを貼られ、74年には亡命してしまうから、
  なにかと大変で余裕がなかったのかな。

ガラッ八:そりゃしょーがないですよね。

親分:そのまま埋もれていたんだが、ヨゼフ・フェイゲルソンというラトヴィア出身のチェリストが発掘し、1996年に初めて録音した(なおフェイゲルソンはロストロポーヴィチの弟子)。
  CDはいまはナクソスからリリースされている。

 

ガラッ八:それをこんどはクレーメルがヴァイオリンで弾いたってわけですかい。

親分:そういえばクレーメルもラトヴィア出身、なにかつながりがあるのかな。

ガラッ八:でもクレーメルって出身はラトヴィアでもモスクワで修業したんですよね、ヴァインベルクと知り合いじゃなかったんですか。

親分:クレーメルが書いたライナーノートによると、ヴァインベルクのピアノ演奏を聴いたことは何度かあるが、個人的に話したことはないそうだ。
  師匠のオイストラフはヴァインベルクと親しかっただけに、クレーメル残念がっている。

ガラッ八:会ってサイン貰っとけばよかった〜〜ってわけですね!

親分:アイドルじゃねえよ!

 

ガラッ八:ふむふむ、ミステリアスでテンションの高い音楽ですね〜。

親分:ミステリアスといえば第5番ではボリス・チャイコフスキーシューマンのチェロ協奏曲の冒頭が引用されるし、
  第21番ではショスタコーヴィチのチェロ協奏曲第1番とチェロ・ソナタが引用される。
  どちらも意味があるようなないような・・・よくわからんのだなあ。

 第5番
 

ガラッ八:なんかややこしいですねー、あまり深く考えないほうがいいと思うでやんす。

親分:そうだよな、とにかくクレーメルのテクニックはキレキレだし、硬質で鋭い音は曲調にドンピシャリだ。

ガラッ八:でも、言っちゃあ悪いですけど、愛想のない音楽ですよね。

親分:ないない、そんなもんない。
  むしろ冷え冷えとした快感や、トゲトゲした刺激の面白さを、アタマで感じて分析的に鑑賞する音楽だな。

ガラッ八:なんか疲れるんですけど。

親分:それは否定しないが、とりあえずヴァイオリン好き・ヴァインベルク好き・クレーメル好きは聴いて損はないと思うぞ。
  それにしてもヴァインベルクもビッグになったもんだな〜、クレーメルが録音するなんて10年前には考えられなかった。

ガラッ八:本人は生きてるうちに売れたかったでしょうけどね・・・。

(2019.03.29.)


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