ヴァインベルク/無伴奏チェロのための24の前奏曲
     無伴奏チェロ・ソナタ第1番

(ヨゼフ・フェイゲルソン:チェロ)




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さて飽きもせずミェチスワフ・ヴァインベルク(1919〜1996)の新しいCDです。
もう次から次へと出るもので、「リンダ困っちゃう」な今日この頃であります。

しかしっ! 今回のCDは、待望久しい

 無伴奏チェロのための24の前奏曲 作品100 (1969) ではあーりませんかーマイケルシェンカー!

「24の前奏曲」は、とくに珍しくもありませんが、「無伴奏チェロのための」となると話は別。
こんな妙なものを書いた作曲家は、寡聞にしてヴァインベルク以外に知りません。
おまけにこの人は、「無伴奏チェロ・ソナタ」も4曲書いています。
どんだけ無伴奏チェロが好きなんだって話です。

ついでに言うと「無伴奏ヴィオラ・ソナタ」も4曲残してます。
どんだけ無伴奏ヴィオラが以下略。

あと「無伴奏ヴァイオリン・ソナタ」も3曲、「無伴奏コントラバス・ソナタ」も1曲書いてます。
無伴奏弦楽器が大好きだったんですねー。

・・・いや、ひょっとするとピアノ・パートを書くのが面倒だったとか。
「あー、もうピアノ・パート書くヒマないから無伴奏ソナタってことにしとけっ!」(←んなバカカな)。

アホなこと言ってないで聴いてみましょう!

 第1番
 

 ・・・・zzzzzzz


 寝るなよ!!


いやあ、包み込むような音色が気持ちよくて、ついうとうとしてしまいました。
それにしても無伴奏の弦楽器って、眠くなりませんか?
何度か聴きに行って何度も爆睡した私が言うんですから間違いないです(←威張るな)。

 第3番 (アルコとピチカートが目まぐるしく交代、弱音器を使うよう指定されています)
 

1969年の作品ですが、前衛的なところはそれほどなく、わりかしロマンティックで聴きやすいです。
シューマンショスタコーヴィチチェロ協奏曲がところどころに引用されるのは、
過去の偉大なチェロ作品に対するオマージュでしょうか。

 第5番(ボリス・チャイコフスキーとシューマンのチェロ協奏曲が引用)
 

 第21番(ショスタコーヴィチ/チェロ協奏曲第1番が引用)
 

このCD、録音されたのは1996年 (ヴァインベルクが亡くなった年だ!)。
90年代に、いまはなきOlympiaレーベルから出ていた、ヴァインベルク・シリーズの一枚。
今回ナクソスから不死鳥のようによみがえりました、めでたいことです。

 第22番 (夢の中であやつり人形が踊っているような・・・)
 

 第23番 (この曲は無調。冒頭のフレーズは12音のセリーになっています)
 

この前奏曲集はロストロポーヴィチに献呈されました。
ヴァインベルクはロストロポーヴィチに、チェロ協奏曲や無伴奏チェロ・ソナタ第1番なども献呈しています。
ただし「24の前奏曲」をロストロポーヴィチは一度も演奏することはありませんでした。
その理由は明らかではありませんが、演奏者のヨゼフ・フェイゲルソンがライナーノートで想像を交えて解説しています(フェイゲルソンはロストロポーヴィチの弟子)。


同時収録はそのロストロポーヴィチに献呈された「無伴奏チェロソナタ第1番」
この曲、昨年やはりナクソスから発売された「ヴェインベルク/チェロ・ソナタ集」にも収録されてました。
同じ曲が短期間に演奏者を変えて同じレーベルから2度も出るなんて、ヴァインベルクも売れっ子になったものです
(でも生きてるうちに売れたかっただろーな、シュニトケやペルトみたいに・・・)。

 第3楽章 (何かに怒りをぶつけるような激しさ)
 

近日中に、旧Olympia「無伴奏チェロ・ソナタ第2〜4番」もナクソスから復活する予定。
全国のヴァインベルク・ファンは必聴ですっ!(何人いるんだろ)
その千倍くらいいると思われる全国のチェロ・ファンのみなさんも良かったら聴いてくださいね、いい曲です。

(11.1.23.)


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