ヴィヴァルディ/8つの荘厳な協奏曲
(エンリコ・カサッツァ指揮 ラ・マニフィカ・コミュニタ)



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いい曲ばっかり!


20世紀イタリアの作曲家、ルイジ・ダルラピッコラ(1904〜1975)は、

 「ヴィヴァルディは600曲の協奏曲を書いたのではなく、ひとつの協奏曲を600回書き直しただけだ」

という「名言」を残しました。

この言葉、ダルラピッコラ自身の作品よりずっと有名なのが、なんだか皮肉。
ヴィヴァルディ・ファンから総スカンをくっているダルちゃんですが、
本人はべつに悪気があったわけではなく、思いつきをふと口にしたに過ぎないんじゃないでしょうか。

まあある意味、真実を突いています、この言葉(だからこそ広まったわけで)
しかし聴きこむと意外や意外、変化と工夫に富んでいるのがヴィヴァルディの協奏曲。
「バロック協奏曲」という枠の中でこれだけ独創的な曲を量産したのは、やはり天才の業。

さて今回ご紹介のアルバムは、ブリリアント・クラシックスの新譜です。

 8つの荘厳な協奏曲

2009年の最新録音で、ヴィヴァルディのあまり知られていない協奏曲を8曲集めてます。

 これが素晴らしい!

 


まず第一に曲が良いです。
読書しながらBGM風に聴きはじめたのですが、魅力的なフレーズが次から次へと登場して耳を奪われるもんで、
「ええ〜い、読書の邪魔じゃ!」(←なんじゃそりゃ)と、とうとう本を閉じて真剣に耳を傾ける羽目に。
このCD、いわゆる知られざる傑作を集めていますが、どの曲も一級品、素晴らしい選曲眼じゃないでしょうか。

そして、ラ・マニフィカ・コムニタの爽やかで勢いのある演奏!
奇をてらったところはどこにもなく、ややロマンティックな解釈で、私の好みにぴったり。
緩徐楽章で優しく奏でられるテオルボも素敵です。

秘曲ぞろいなので、バロック音楽にちょっとうるさいマニアの方にもご満足いただけますし、
「調和の霊感」 「四季」などでヴィヴァルディが好きになったばかり、という方にも自信を持ってどーんとおすすめいたします。

最近聴いたヴィヴァルディのCDでは出色の素晴らしさ。
車に積んで毎日聴いてます。

(10.7.9.)

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