ヴィヴァルディ/聖母被昇天のための晩祷
Vivaldi/Vespri per l'Assunzione di Maria Vergine
(Naive 2003年 2枚組)



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絶 美

「ヴィヴァルディ/マンドリンとリュートのための作品集」があまりにも良かったので、
naiveのヴィヴァルディ・エディションから、もひとつ聴いてみることに。
選択の基準は・・・もちろん、ジャケ買いですとも。
しかし、これもまたジャケットのイメージどおり、清純で爽やかな音楽でありました。

 ヴィヴァルディ/聖母被昇天のための晩祷

8月15日は、カトリック圏では「聖母被昇天の祝日」(要するにマリアさまの命日)
聖母マリアが天に召された日を祝うミサが行われるそうです。
まあ、法事みたいなもんですな(そうかあ?)
18世紀はじめごろ、ヴィヴァルディはこのミサのために音楽を書いたそうですが、
残念ながら楽譜は断片的にしか残っていません。
そこで足りないところはヴィヴァルディの他の宗教作品を寄せ集め、ミサの流れに合うように配列したのが、このCD。

なんだ、テキトーな企画版CDかい、と思ったらさにあらず、
ヴィヴァルディの傑作宗教曲の数々が、みずみずしい演奏でたっぷり楽しめます。
良い曲ばかりを上手にセレクト、期せずして「ザ・ベスト・オブ・ヴィヴァルディ宗教曲」(←語呂わるい)的な選曲になってるのではないかなーと思うのです。

指揮はリナルド・アレッサンドリーニ、キレが良いだけでなく華がありますね、この人の演奏は。

お気に入りは、CD1ではソプラノと弦楽のための「詩篇112番・Laudate pueri RV600」(トラック21〜30)
流麗で官能的なメロディの連続、澄んだ音の快楽、あまりの玲瓏たる響きに悶絶です。
マリアさまより先にこちらが昇天しそうになりました。
・・・ほんとに宗教音楽かこれ。

 Laudate Pueri RV600 より
 

CD2、二人のソプラノと二群の合唱・合奏のための「詩篇147番・Lauda Jerusalem RV609」(トラック13)は、壮麗な合唱と、二人の独唱者の丁々発止の渡り合いがスリリング。
壮麗な「マニフィカトRV610」(トラック17〜25)をへて、コントラルト独唱による「サルヴァ・レジナ RV616」で、しっとりと幕を閉じます。
超絶美麗、贅沢で優雅な気分に浸れる2枚組です。

 詩篇147番・Lauda Jerusalem RV609
 

 サルヴァ・レジナ RV616 より 終曲
 


ヴィヴァルディといえば真っ先に「四季」を連想していたのは、私にとってはもはや過去のこと。
いまでは、ヴィヴァルディといえば、naiveの綺麗なお姉さんたちが脳裏に浮かぶのです(←コラコラ)

(07.6.6.)


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