ヴィヴァルディ/協奏曲集「調和の霊感」作品3
Vivaldi/L'estro Armonico Op.3



イタリア・バロック時代の作曲家アントニオ・ヴィヴァルディ(1678〜1741)の代表作であります。
「聴きやすいクラシック」と言われた時、私などは一番にこの曲が思い浮かびます。
ヴィヴァルディといえば、協奏曲集「和声と創意への試み」作品8に含まれている「四季」がとても有名ですが、
私は「調和の霊感」のほうが好きです。

  「調和の霊感」第2曲より(ピノック/インクリッシュ・コンサート)
  


調和の霊感あるいは「調和の幻想」(L'estro Armonico)作品3。
1712年、アムステルダムから出版されたこの作品集は、
ヴィヴァルディが当時勤めていた、ヴェネティアのピエタ養育院の女生徒たちの楽団のために書かれた曲から
特に評判の良かったものを12曲まとめたものらしいです。
なお、ピエタの少女たちの演奏はメチャウマで、とても人気があったとのこと。
年若い少女ばかりの楽団が、ビシバシと見事な演奏を繰り広げる図、見てみたいものです。
ヴィヴァルディのトレードマークである、急緩急のソロ・コンチェルト・スタイルの曲が多いですが
ちょっと古い合奏協奏曲スタイルの曲が数曲含まれているのも魅力です。

もともと曲がいいですから、どんな演奏で聴いても楽しめますが、私が架蔵しているのは次のようなものです。


★イ・ムジチ(Philips, 1962)
 長らくこの曲の決定盤とされていた定番です。
 やわらかく暖かいイ・ムジチ・トーンで、響きはアコースティック、安心して聴けます。
 イ・ムジチは1983年に再録音していますが、そちらは残念ながら未聴です。

 
 Amazon.co.jp : ヴィヴァルディ/協奏曲集「調和の幻想」作品3(全曲)

 こちらは新録音↓
 Amazon.co,jp : ヴィヴァルディ:協奏曲集「調和の幻想」作品3(全曲)

★ホグウッド&AAM(DECCA, 1981)
 
古楽器による初の「調和の霊感」
 1パート1名の編成、より速めのテンポなど、贅肉を落としたようなヴィヴァルディ
 ヴィヴァルディ演奏のスタイルを一変させた、革新的で涼しげな名盤です。

 
 Amazon.co.jp : L'Estro Armonico

 HMV : 調和の霊感、フルート協奏曲集 icon


 「調和の霊感」第6番 ヴァイオリン協奏曲イ短調(ホグウッド/AAM)
 


★シモーネ&イ・ソリスティ・ヴェネティ(Erato, 1987)
 イタリア・バロックの演奏では、かつてイ・ムジチと並び称されたイ・ソリスティ・ヴェネティ。
 オリジナル楽器や古楽奏法とは一線を画した演奏ぶりで一貫しています。
 響きは厚く、ゴージャスな雰囲気。
 録音は残響たっぷりで、ムード・ミュージック的な感じ。
 でもけっこう好き。

★ピノック&イングリッシュ・コンサート(Archiv, 1988)
 古楽器を使いつつ、ホグウッドより柔らかく暖かい響きを目指していますが、
 同時にとっても溌剌とした名演奏です。

 「調和の霊感」第11番 より(ピノック&イングリッシュ・コンサート)
 

   Amazon.co.jp : L'Estro Armonico Op 3 6 Flute Concertos Op 10

   HMV : 調和の霊感/ピノック icon

   Tower@jp : ヴィヴァルディ:協奏曲集《調和の霊感》(全曲)



★ビオンディ&エウローパ・ガランデ(Virgin, 1998)
 今をときめく古楽器界のヒーローの演奏ということで、発売を待ちかねて買った演奏。
 不自然なまでに強弱を強調、テンポも大きく揺らした、超個性的な演奏。
 最初は違和感しかありませんでした。なんでこんなにデフォルメする必要があるんだろう・・・
 でも繰り返し聴くうち、ビオンディは作品に内在するヴィヴァルディの情熱を、全身で表現しようとしているのかもしれない、と思うようになりました。
 初めて聴く方にはお勧めしにくいですが、とても刺激的な演奏です。


 

 Amazon.co.jp : Vivaldi : L'estro armonico / Fabio Biondi, Europa Galante


 HMV : ヴィヴァルディ/L’estro Armonico Op.3: Biondi / Europa Galante


 「調和の霊感」第3曲(ビオンディ/オイローパ・ガランテ)
 



ほかにもマリナー盤などあるようですが、未聴。
私が一番気にいっているのは、やっぱりホグウッドかな。
初めて聴かれる方にも、ホグウッドかピノックをおすすめします。
車を運転しながら聴くと、とっても気持ちいいですよ。

これ聴いてヴィヴァルディの協奏曲が気にいったなら、ぜひとも声楽曲宗教曲などにも手を出していただきたいものです。
そしてあなたもヴィヴァルディを3日聴かなければ手が震える「ヴィヴァルディ中毒」の仲間入りをしませんか!


 「調和の霊感」第10曲 四つのヴァイオリンのための協奏曲
 (←なんて楽しそうな演奏! 4人のヴァイオリニストのアイ・コンタクトが素晴らしい!)

(01.11.3.記)


<追記(10.3.6.)>
2010年現在、上にあげたCDの多くが廃盤・入手困難になっています。
現時点で、入手が容易で安心してオススメできる「調和の霊感」のディスクは、イタリア合奏団のものでしょう。
つややかな弦の美しさを堪能できます。


 
 Amazon.co.jp : ヴィヴァルディ:協奏曲集 調和の霊感

 HMV : 調和の霊感/イタリア合奏団 iconicon

 Tower@jp : ヴィヴァルディ:協奏曲集 作品3 《調和の霊感》


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