ヴィヴァルディ/チェロ協奏曲&チェロ・ソナタ集(5枚組)
(オーフラ・ハーノイ:チェロ)
(1987〜1994録音)



Amazon.co.jp : Ofra Harnoy Plays Vivaldi

Tower@jp : Ofra Harnoy Plays Vivaldi


いやあー、言うてみるもんですね。

以前、ソル・ガベッタのヴァイヴァルディ/チェロ協奏曲集をご紹介した時に、オーフラ・ハーノイヴィヴァルディを再発してください!と書いたら・・・。

 祈りが天に通じましたっ!

協奏曲とソナタをまとめた5枚組ボックスが、驚きの低価格で発売されたのですっ!

 ソニー・ミュージックの担当の方がこのHP読んでくれたんでしょうか(←そんなわけないだろ)。

とはいえワタクシ、協奏曲のほうは4枚ともすでに持ってます
レギュラー価格で高く買いました・・・・・。

 なんかくやしい・・・・。

やっぱり発売するのやめてください!!(←コラコラ)

まあ、レギュラー盤は趣向を凝らしたジャケット写真がそれぞれに美しいのでいいです(←はい、ミーハーです。え、死語?)。


ヴィヴァルディの協奏曲は、どれも同じに聴こえると仰る方もおられますが、
それは、ジャズに詳しくない人にはフォービート・ジャズがみな同じに聴こえるようなもの。
オッサンにはラノベが全部同じに思えるようなもの。
私には980円と10000円のワインの区別がつかないようなもの。

 聴きこむほどに、一定の枠の中でこれほど多彩な音楽を作り続けたヴィヴァルディの天才に驚かざるを得ません。

オーフラ・ハーノイが、1980〜90年代に録音したヴィヴァルディのチェロ協奏曲集。
これが世界初録音となった曲も少なくない、ヴィヴァルディ録音史上重要なシリーズです。
全部で25曲が収録されています。
じつはヴィヴァルディのチェロ協奏曲は27曲あります。
録音されなかったのはRV.400RV.410。    
なぜ全集を完成しなかったのかはわかりませんが・・・。

 協奏曲 RV.405 第1楽章
 


オーフラ・ハーノイのチェロはリラクシングな響きロマンティックな表情
テンポは全体に遅めで、ピリオド奏法のサクサクシャカシャカなフレージングに慣れた耳にはかえって新鮮に響きます。
ヴィヴラートは控えめながら、太くて深みのある音でゴージャスに紐解かれてゆくヴィヴァルディ・ワールド。

ソル・ガベッタのように鮮やかなテクニックでスカッと弾き通すのとは違って、どんなパッセージにも情緒をのせきる「うたごごろ」の妙を存分に味わうべき演奏です。
バックを支える合奏も、最近の古楽器団体のようにスカスカ・・・失礼、風通しのよい響きではなく、ふくよか且つ重厚です。

 協奏曲 RV.416 第1楽章
 

珍しい「アレグロのシャコンヌ」であるRV.419の第3楽章も、過度の激しさを抑え優美さを感じさせるほど。
この曲、古楽器団体に弾かせるとほぼロックになるんですが。

 協奏曲 RV.419 第3楽章
 

チェロ・ソナタは6曲を収録。
じつは私、現在この第5番のソナタを練習中。
ハーノイの演奏はしなやかで温かく、「こんなに優雅に演奏できたら最高だなあー」とあこがれながら毎日ギコギコいわせている最中であります。

 ソナタ第5番 第2楽章
 

 このボックスセット、ヴィヴァルディ・ファン、チェロ・ファンに力強くおすすめします。
 限定版なのでお早めにです。

(11.9.12.)


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