オーフラ・ハーノイ/イマジン(1996)
(with オックスフォード弦楽四重奏団、アルミン弦楽四重奏団)



Amazon : Ofra Harnoy Imagine


世に星の数ほどあるであろうビートルズのカバー・アルバムのひとつ。

今さら本家ビートルズのアルバムを聴くことはめったにありませんが(ほとんど持ってはいるけど)、このCDはときどき取り出して聴きます。
チェロ独奏+弦楽四重奏によるものです。

 オーフラ・ハーノイ/イマジン(Ofra Harnoy/IMAGINE, 1996)

なぜかって・・・?

 オーフラ・ハーノイが美人だからですっ!(きっぱり)

 In My Life
 

・・・いやもちろんそれだけではなくて、このアルバムの奇をてらったところのない正攻法で丁寧なアレンジが魅力なのです(←ホンマか?)。
決してハーノイの独演ではなく、ほかの楽器もソロを取るし、ハーノイが伴奏に回る箇所も多く、変化にとんだ弦楽五重奏アンサンブルを聴かせます。

原曲のメロディがさらに際立つ洗練されたアレンジを担当したのはダグ・ライリー(Doug Riley)という、カナダのミュージシャン。
ハーノイのチェロを露骨に前面に出すのではなく、アンサンブルに溶け込ませることで質の高い音楽を構築しました。

 Michelle
 

スロ〜ミディアム・ナンバー中心の選曲で、アップテンポなロックンロール・ナンバーは取り上げられていません。
それにしてもビートルズのメロディはいいですね。
弦楽器でしっとり歌われると、もうクラシックにしか聴こえません。

 Norwegian Wood / For No One
 

刺激的なところはなく、決して事件など起きない、暖かな安定感。
リリカルな旋律をまろやかに歌い上げ、インティメートな響きを作り出します。

 When I Sixty-Four
 

アルバムのラストは、「アビー・ロード・メドレー」の終わりの3曲、微笑みでも浮かべるかのように静謐に閉じられます。

 Golden Slumbers / Carry That Weight / The End
 

BGMとして聞き流してもよし、弦楽五重奏のアンサンブルをじっくり味わうもよし、クラシック・アレンジのビートルズを素直に楽しむもよし。
「音楽」としてハイレベルな、隠れた傑作アルバムです。

(2020.07.02.)


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