ソル・ガベッタ/イル・プロジェット・ヴィヴァルディ2
(ヴィヴァルディ・チェロ協奏曲集第2集)
(ソル・ガベッタ:チェロほか)
Amazon.co.jp : Il Progetto Vivaldi 2
Tower@jp : Il Progetto Vivaldi Vol.2
長女(高2)が今日から修学旅行に出かけました。
行先は北海道です。
四国はまだ半袖でも暮らせるくらいですが、北海道はすでにかなり寒そうで
けっこう重装備で送り出しました(荷物が入りきらん!)。
寒さとクマに気をつけ、旅行を楽しんで、元気で帰ってきてほしいものです。
カニとイクラとウニのお土産待ってるよ。
さて、ソル・ガベッタのヴィヴァルディ作品集・第2集が出ました。
ジャケット写真でガベッタはエンドピンのないチェロを持っていますが、
ピンを刺すのを忘れたわけではなくて、この録音ではバロック・チェロを使っているようです。
じつはバロック期のチェロにはエンドピンはなく、膝というかフクラハギで楽器を挟んで演奏していました。
こんな感じ
↓
楽器を安定させるの、むつかしそうですね・・・。
脚力も要求されます(試してみました)。
なので当時のチェリストは毎日スクワットとウサギ跳びを欠かさなかったというのは嘘ですが、
まあ、床に傷がつかないのはメリットですね(そういう問題か?)。
あれっ、でもこのYou Tubeの映像ではガベッタさん、弓はバロック弓だけどエンドピン使ってますね。
うーん、ほんとはどっちなんだろう。まあどうでもいいけど。
第1集では、技巧的なパッセージをビシバシこなすガベッタのチェロに、スポーツ的な快感すら感じたものですが、
この第2集は毛色が変わって、どことなく落ち着いた味わい。
もちろん技巧は完璧ですが、むしろゆっくりした楽章でのしっとり感が印象的。
最近再発されたオーフラ・ハーノイのヴィヴァルディ/チェロ協奏曲集と聴き比べてみると、
重厚な伴奏、ヴィヴラートもしっかりかけ、ロマンティックな演奏のハーノイに対し、
ガベッタは風通しの良い伴奏をバックに軽妙なパフォーマンス、ガット弦なので音も渋めです。
ゴージャス・メイクのハーノイと、すっぴんメイクのガベッタ、という感じでしょうか。
「四季」をチェロでバリバリ弾いてた第1集にくらべて多少地味な感じがしないでもないですが、
バックとの一体感、親密な雰囲気はたいへん魅力的です。
チェロ協奏曲 RV.423 第3楽章
このCD、ヴィヴァルディの協奏曲は3曲のみで、あとはヴィヴァルディのチェロ・ソナタが1曲と、
レオナルド・レオとベネティット・プラッティのチェロ協奏曲が1曲ずつ収められています。
ともにヴィヴァルディより20年ほど若い作曲家です。
レオの協奏曲は珍しい5楽章構成の、おおらかで優美な作品、バロックというより前古典派風です。
プラッティのニ短調協奏曲(世界初録音)は、急緩急のヴィヴァルディ・スタイルで、
ヴィヴァルディに勝るとも劣らぬ華やかで活発な技巧的作品。
知られざる作曲家の、知られざる名曲、たくさんあるのでしょうね、きっと。
(11.10.17.)
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