ルーズ・ランゴー/交響曲第1番「岩の田園詩」ほか
セーゲルスタム指揮/デンマーク国立放送交響楽団
(CHANDOS CHAN9249)


Amazon.co.jp : Langgaard: Symphony No. 1

HMV : Langgaard/Symphony No.1 icon

デンマークが生んだ不遇の天才・ルーズ・ランゴーRued Langgaard 1893〜1952)。
交響曲第1番「岩の田園詩」(←どういう意味?)は、驚くなかれ14歳で作曲開始し、17歳で完成。
全5楽章、67分を要する、後期ロマン派風の堂々たる大曲です。
マーラー、R・シュトラウスなどの影響が濃厚ですが、すでに独自の魅力も発散していて、とても10代の少年の作品とは思えません。

出だしからもんのすごーく力が入っていて、「渾身の一撃!」って感じなのは、若さのなせる業でしょうか。
その力みが決して上滑っておらず、風格まで感じさせるのは、天才の業でしょうか。
しかし全然「田園詩」つう感じじゃないよな。

 ランゴー:交響曲第1番「岩の田園詩」・第1楽章「波しぶきと見え隠れする太陽」
 

この曲は1913年にベルリンで初演され、大好評。
意気あがるランゴー、母国デンマークでの演奏を計画するものの、曲の長さと編成の大きさが裏目に出たのか、なかなか実現しません。
このあたりから、ランゴーの芸術家人生の歯車が狂い始めます。
自らの才能への自信と、母国の音楽界から認められない焦り・・・。

ランゴーは、めげずに作品を発表し続けますが、作風は次第に前衛的・革新的になってゆき、
トーン・クラスターミニマル・ミュージック先取りする曲まで書いてしまいます。
聴衆の理解は得られず、周囲からは変人扱い、音楽関係の仕事にも就けず、次第に忘れられていきます。
48歳にしてようやくデンマークの片田舎・リーベ教会のオルガニストに就任しましが、結局、作曲家としては、ほとんど評価されなかったようです。

しかし没後、ランゴーの音楽はリバイバルされ、
現在では「20世紀デンマークのもっとも才能に恵まれた作曲家」と呼ばれています。 ニールセンより上ってことですか?
16の交響曲、8つの弦楽四重奏曲、オペラ「アンチ・キリスト」など、約400の作品を残しています。

このCDには、ランゴーのほぼ最後の作品と思われる、合唱と管弦楽とオルガンのための「深き淵より」(1952)も収録されています。
自らのためのレクイエムともいえる宗教的な曲で、激しさと静けさがドラマティックに交錯します。

ランゴーという作曲家に、がぜん興味がわいてきました。
いろいろ聴いてみたいと思います。

(06.7.28.)


P.S.ランゴー/交響曲第2&3番 の記事→ココ


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