ランゴー/ヴァイオリン・ソナタ第3&4番
ショート・ヴァイオリン・ソナタ ほか



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Tower@jp : Langgaard: Violin Sonatas Vol 2 / Azizian, Oland



デンマークが生んだ偏屈作曲家、ルーズ・ランゴー(1893〜1952)。
以前、なにを思ったかこの人の交響曲16曲を全部ご紹介してしまった私であります。
どうやらまだ懲りていないようで、なんとヴァイオリン・ソナタにも魔手を伸ばしている今日このごろ。

ランゴーは番号つきのヴァイオリン・ソナタを4曲書いています。
最初の2曲は20代の作品で、第1番はなんと演奏に40分近くかかる大曲。
ドラマティックでエキセントリックで熱気がムンムン、
若きランゴーの意気込みがビシビシ伝わってきて、しかも極めて美しい曲なのですが、
結局、こういうところがかえって引かれてしまったんですよね、この人。

第3番(1945〜49)と第4番(1949)は、晩年の作品。
リーベという地方都市のオルガニストだったランゴーは、
地元の大学の音楽科の教授であるハーコン・ラスクマークという優れたヴァイオリニストと親しくなります。
自宅で一緒にフランクやシューマンのソナタを演奏していましたが、
それでは飽き足らなくなり、ついに25年ぶりにヴァイオリン・ソナタの作曲にカムバック!
これらのソナタは、自分たちで演奏するために作られ、ランゴー存命中は一度も公開の場で演奏されませんでした
(ヴァイオリン・ソナタに限らずこの時期のランゴーの作品はほとんど演奏されませんでしたが)。


第3番は、嬉しくなるくらい明るくて華やかで伸びやかな曲。
20世紀も半ばに書かれたとは思えないくらい古典的な響き。
第1番、第2番のほうがずっと前衛的です。
ただしソナタ楽章はひとつもなく、形式・構成はいつもながらテキトーというか滅茶苦茶。

第1楽章は、晴れやかな主題が、わずかに形を変えながらひたすら繰り返されます
(途中に短いヴァイオリンのカデンツァが挿入されますが)。
第一主題が何度も繰り返されるなあと思いながら聴いてたら、そのまま楽章が終わっちゃった、みたいな感じ。
しかし魔術のように魅力的なのです! 不思議だ。
そして第2楽章は、第1楽章中間部のカデンツァが主題となります。

 ランゴー:ヴァイオリン・ソナタ第3番・第1楽章
 


第4番は「主よ、救いたまえ」というタイトルがついていて、宗教的で敬虔な雰囲気。
12分半(全曲の半分以上!)を要する第1楽章では、讃美歌風の主題がいつ果てるともなくしとやかに歌われます。
あとに続く短い4つの楽章も、それぞれに魅力的でロマンティック。
静かな祈りのような第2楽章は特に美しいです。

 ランゴー:ヴァイオリン・ソナタ第4番・第2楽章
 

このCDには、ショート・ヴァイオリン・ソナタ(1949)も収録されています。
わずか3分半ほどの短いソナタですが、一応「急・緩・急・急」の4部分に分かれています。
個性的な4つの主題はそれぞれに魅力的で、ふくらませれば面白い曲になったと思われますが・・・。
まあ、一種のジョークなのでしょうね。 いかにもランゴーらしい作品です。

なお、CDの最初には、14歳で作曲した「朝の歌」というヴァイオリン曲が収められています。
これは叔父のヴァイオリニスト、アクセル・ゲーゼニルス・ゲーゼの息子)に捧げられたもので、
ランゴーの早熟な天才ぶりがうかがえます。


(10.3.12.)








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