ルーズ・ランゴー/深淵からの音楽 Music of the Abyss(初期室内楽曲集)
(Esbjerg Ensemble 2020録音)




Amazon ; Music of the Abyss

Tower : ランゴー/深淵からの音楽

1. 九重奏曲 BVN.95 (1915)〜フルート、オーボエ、2つのクラリネット、2つのホルンとファゴットのために
2. アウグスティヌシアナ(音楽の冗談) BVN.63 (1914)〜2つのヴァイオリンとチェロのために
3. 開花の時期に BVN.136 (1917)
4. 『かわいいアウグスティン』のモティーフによるスケルツォ BVN.62 (1913)〜2つのヴァイオリンとチェロのために
5. レーナウのムード BVN.138 (1917)〜メゾ・ソプラノと弦楽四重奏のために
6. フモレスケ BVN.176 (1922-23)〜フルート、オーボエ、コール・アングレ、クラリネット、ファゴットと軍楽ドラムのために
7. 深淵からの音楽 BVN.169 (1921-24)(A.G.マドセン編、室内アンサンブル版 2015 rev.2017)


デンマークの異端作曲家、ルーズ・ランゴー(1893〜1952)の初期室内楽を集めたアルバム。
途中まではランゴーにしてはまともで可愛らしい曲が並びます。

「かわいいアウグスティン」のモティーフによるスケルツォは、お馴染みのドイツ民謡を自在に料理した小洒落た弦楽三重奏曲。
テーマはほのめかされる程度で完全には呈示されないところがランゴーらしく気取ってますねえ(?)。

 

最後の2曲がランゴーならではの奇妙な味を満喫できる怪作。
「フモレスケ」はタイトルとは裏腹にそれほどユーモラスでも軽快でもありません。
木管五重奏と小太鼓のための曲で、ファンファーレ風に始まり、やる気のない行進曲のように展開、6分ごろからのフルートのソロが変態的でキモカワイイ。
それが突然小太鼓で断ち切られたと思ったら、のどかなメヌエットが続きます、わけがわかりません、わーい!(←喜んでる)。
これぞ他の誰とも違うランゴー独自の妙ちきりんな音楽、これなんですよ! ああたまらん!

 

「深淵からの音楽」は、もとはピアノ曲。
2010年代に別人が室内合奏に編曲したヴァージョンですが、原曲とは雰囲気が違いすぎて思わず笑ってしまいます。

 原曲(ピアノ版)


 室内楽版
 

原曲は、深い海の底で金色の眼と大きな口を持つグロテスクな魚がうごめいているような印象ですが、室内楽版はまるで密林の祭囃子。
良くも悪くも色彩的で、だんだん食虫植物の乱舞みたいになってきて、「深淵感」はほぼ皆無。
まあでも唐突な曲調の変化はピアノ版以上に強調されていて、なかなか面白い曲になっています。
これまたどこへ連れていかれるのか予想がつきません。


珍しい作品を集めたランゴー・ファンにはオススメの一枚ですが、最後の2曲だけ聴けばいいかって感じ。
なおランゴーをまだ聴いたことがない方は、こんなマニアックなCDではなく、交響曲第4番「落葉」あたりから始めるのがよろしいかと(ならなぜ紹介する)。

(2021.10.16.)


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