ランゴー/交響曲第1番「岩山の田園詩」
(サカリ・オラモ指揮/ベルリン・フィル)
Tower : ランゴー/交響曲第1番
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ルーズ・ランゴー(1893〜1952)の交響曲第1番「岩山の田園詩」は、1913年にベルリンでベルリン・フィルによって初演されました。
全5楽章・1時間を要する大作ですが大成功をおさめ、19歳のランゴーは6回もステージに呼び出されたそうです。
そして、この日がランゴーの音楽人生の頂点でした。
10代で交響曲第1番を発表といえば、グラズノフとシュスタコーヴィチが思い浮かびますが、曲の規模、完成度ともはるかに超えています。
まさしく超ド級の大天才。
曲の内容に関しては以前セーゲルスタム指揮の録音をご紹介したことがありますので、ぜひご参照ください。
さて、このたびベルリン・フィルが1913年以来109年ぶりにこの曲を再演しました。
待たせたな、ランゴー君!
指揮はサカリ・オラモ。
第1楽章「波しぶきと見え隠れする太陽」 より
(樫本大進は降り番だったのね)
マーラーとR・シュトラウスが融合したような重厚で壮大な響き。
ちょっとラフマニノフみたいな俗っぽさもあるところがチャーミング。
第2楽章「山の花々」 より
この曲の録音はStupel盤、セーゲルスタム盤、ダウスゴー盤に続きこれが4つ目 (Stupel盤は未聴)。
演奏時間はセーゲルスタムが67分13秒、ダウスゴーが60分30秒に対し、55分34秒とかなり短くなっています。
実際、セーゲルスタムで慣れていると「速いな」と思いますが、すっきり整理された見通しの良い演奏です。
響きが新鮮で、音の表情に一種の「ノリ」すら感じられます。
はじめてこの曲を聴く方にオススメ。
「こんなに綺麗な曲だったんだ!」と思いました(←いままで何だと思ってた)。
ただし、おどろどろしさとか、強烈な重苦しさとか、得体の知れなさはセーゲルスタムのほうが上ですね(え、いらない?)。
第5楽章「勇気」 より
(コーダで「追いブラス」の指定があったのか・・・知らなかった)
マーラーやR・シュトラウスがお好きな方は絶対気に入ると思います。
それにしてもランゴーの交響曲がいろいろ聴き比べできるようになるとは、メジャーになったものです。
よかったねえ、ランゴー・・・・・・(生きてるうちに売れてたらなお良かったけど)。
(2022.11.20.)
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