サン=サーンス、イザイ/ヴァイオリンとピアノのためのレア編曲集
(フィリップ・グラフィン vn、 パスカル・ドワイヨン pf)
Saint-Saens&Ysaye : Rare Transcriptions for Violin and Piano


Amazon.co.jp : Rare Violin Transcriptions

HMV : サン=サーンス、イザイ/珍しい編曲集 icon

<曲目>
サン=サーンス:華麗なるカプリス
ショパン/サン=サーンス:夜想曲第18番 ホ長調 op.62−2
サン=サーンス:ワルツ形式の練習曲によるカプリス
ショパン/サン=サーンス:夜想曲第16番 変ホ長調 op.55−2
ショパン/イザイ:ワルツ ホ短調 (遺作)、バラード第1番 ト短調 op.23
サン=サーンス:ウェーバーの《オベロン》による幻想曲
サン=サーンス:振り子時計のアリア
サン=サーンス:ヴァイオリンとハープのための幻想曲 op.124


フランスの作曲家、カミーユ・サン=サーンス(1835−1921)、
名前はよく知られていますが、作品は「動物の謝肉祭」以外はあまり有名ではないような。。。
じつは交響曲第3番「オルガン付」ピアノ協奏曲(全5曲)ヴァイオリン協奏曲第3番など、聴き応え満点の名曲たくさんあるのです。

さて、今回ご紹介するのは、サン=サーンスでもさらにマニアックに、変態編曲の森にお誘いするCDです。 
実際、誰が聴くんだこんな妙なCD?・・・ああ、また友達が減る。

ま、気を取り直してヴァイオリンとピアノのためのレア・トランスクリプション集です。


トラック1、「カプリース・ブリランテ」(1859)
いきなりびっくりです! サン=サーンス/ヴァイオリン協奏曲第3番の第3楽章ではないですかこれは!
序奏が協奏曲より長くなっていますが、内容はほとんど同じです!
こちらが元ヴァージョンで、1880年に協奏曲の第3楽章に仕立てなおしたということらしいです。
いやー、情熱的で奔放、素晴らしい曲です。
ピアノ・パートもかなりの技巧が要求され、華麗流麗、豪華絢爛。 
まさに音の万華鏡いやミラーボールだっ!
グラフィンのヴァイオリンは、タメ・コブシをしっかり効かせ大見得を切る濃〜い演奏、
曲調にぴったりはまっています!

ショパンのノクターンの編曲をはさんで、
トラック3は自作の「ワルツ形式の練習曲 作品52−6」の編曲版。
といわれても、原曲(ピアノ版)知ってる人、あまりいませんよね多分。。。
編曲版は原曲よりさらに派手。 ロマン派の粋、色気がムンムンの音楽です。

サン=サーンス:ワルツ形式の練習曲によるカプリス


このCDには、名ヴァイオリニストでもあったウジェーヌ・イザイ(1858−1931)による
ショパンの編曲も2曲収められています。

とくにびっくりなのがトラック6、「バラード第1番」のヴァイオリンとピアノ版。
このショパン屈指の人気曲に手を出すとは、なんと恐れを知らぬ・・・
しかしこれが良いのです、素晴らしいのです。
あるときは物悲しく、あるときは華やかに、あるときは物語るように・・・
ヴァイオリンとピアノのための作品として見事に完成しています。
残念ながら楽譜は未出版なのだそうですが、 (→出版されました。ヴァイオリニストたちが愛したショパン:ヴァイオリンとピアノのためのショパン編曲集
リサイタルで弾いたら盛り上がること請け合い。

ショパン:イザイ編曲:バラード第1番


最後のサン=サーンス「ヴァイオリンとハープのための幻想曲 作品124」はオリジナル作品。
自由な形式で書かれたラプソディックな曲で、とくに終盤近くのシャコンヌ風な部分が好き好き大好き超愛してるです。
ヴァイオリンとハープという珍しい組み合わせも夢のように美しい隠れた名曲です。



(08.1.13.)


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