サン=サーンス/管楽器のための3つのソナタ ほか
(モーリス・ブルグ:Oboe モーリス・アラール:Basson モーリス・ギャベ:Clarinet アニー・ダルコ:Piano)

(1975録音)



Amazon.co.jp : Saint-Saens/Wind Sonatas


カミーユ・サン=サーンス(1835〜1921)は、フランスを代表する大作曲家の一人ではありますが、
よく親しまれている作品は、パロディックな 「動物の謝肉祭」、優雅で流麗な「序奏とロンド・カプリチオーソ」あたりでしょうか。
あと、交響曲第3番「オルガン付」も豪華絢爛で人気ありますね。
あと個人的には5曲のピアノ協奏曲も好き好き大好き超愛してます。

いわば華麗だが内容がないと思われている有名作曲家の代表格ですが、こういう渋くてお洒落な作品も残しています。

オ−ボエ・ソナタ 作品166
クラリネット・ソナタ 作品167
バスーン・ソナタ 作品168


いずれも演奏時間十数分の短いソナタで、作曲者の死の年(1921年、86歳)に書かれました。
じつはサン=サーンスは、6曲のソナタを作曲する計画で、
4曲目はイングリッシュ・ホルンのソナタ、つづいてフルート、ホルン、トロンボーンあたりを考えていたようです。

面白いことに、犬猿の仲だったドビュッシーも晩年に6曲のソナタを計画しながら、3曲書いたところで亡くなっています。
じつは意外と気が合ってたりして、このふたり。

この3曲のソナタは、大作曲家サン=サーンスの70年に及ぶ作曲活動の最後を飾る作品群ですが、まったく力みなく、音は自然にさらさらと流れてゆきます。
こういうなにげない音楽、大好きであります。
可憐で軽快なオーボエ・ソナタ
華やかで流麗なクラリネット・ソナタ
ユーモラスな中にもロマンティックなバスーン・ソナタ
いずれも簡潔で無駄のない、それでいて味わい深い名品です。

 オーボエ・ソナタ 
 
 
 クラリネット・ソナタ 
 

 バスーン・ソナタ 第1・2楽章
 

三部作として、まとめて聴きたいですが、3曲を1枚に収めたCD、意外と少ないのです。
いまだに、30年以上前に録音されたこのアルバムが頼りであります。
フランスの名だたる名手を起用した決定盤でもあります。
管楽器奏者のファースト・ネームが3人とも「モーリス」というのが面白いです。わざとかな(まさか)

最近ちょっと仕事が忙しく、余裕の少ない日々ですが、暇を見つけてこのCDを聴いたら、けっこうなごみました。

(08.11.28.)


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