バッハ/無伴奏チェロ組曲
(ニーナ・コトワ)



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バッハの無伴奏チェロ組曲、ただいま練習中!
第4番のプレリュードはどうにか終了というか、「もういいか、これ」というあきらめにも似た境地に到達したので(なんじゃそりゃ)、
先日から次のアルマンドに移ったのでアルマンド。
こんな曲です。

 バッハ:無伴奏チェロ組曲第4番・アルマンド
 

優雅でおだやかな曲です。
先生は、「この曲は変ホ長調の音階の良い練習になるんですよ」と言って、気持ちよさそうに弾いてくれます。
私は音階をなだらかに弾くことの難しさを痛感しています。
足を引きずりながら階段を上下しているような弾き方しかできません。
もっとなだらかに、スムースに、一音一音同じ音量で・・・・・・練習あるのみ。


さて、またまた無伴奏チェロ組曲のCDを買ってしまいました。

そうです、ジャケ買いです! 文句あるか。

ニーナ・コトワ(Nina Kotova)はちょっと変わった経歴のチェリスト。
ロシア生まれ、モスクワ音楽院に学び、1985年、15歳でプラハ国際コンクール優勝。
ケルン音楽院で学ぶなどしていましたが、コントラバス奏者だった父が若くして亡くなり、経済的な理由でやむなくロシアに帰国。

その後再びチェロの勉強のためアメリカに渡った彼女、1993年、生活のためモデル・エージェンシーと契約したところ、
あれよあれよという間にトップ・モデルに駆け上がり、アルマーニシャネルの専属になったり、"vogue”の表紙を飾ったり。
その間もチェロの勉強は続け、1996年ロンドン・デビュー・リサイタルをきっかけにモデルをやめ、現在は欧米で活躍中。

さてニーナ・コトワの、今年リリースされた最新作が、バッハ/無伴奏チェロ組曲・全曲
元ファッション・モデルの美人チェリストというプロフィールから、優美で上品、軽やかで艶やかな演奏を想像していたら・・・・・・気持ち良く裏切られました!

むしろ「豪放」「骨太」「大胆」「濃厚」
決して美音ではありません、というか濁り気味の音。
とくに低音は弓を強く押し付けてブンブンいわせ、あたかも見得を切るようです。
テクニックは当然ながら凄いですが、速いパッセージをわざわざゴリゴリゴツゴツ弾いてみせ、「下品!?」と言いたくなる箇所も(とくに第3番のジーグ)。

 第3番「ジーグ」
 

その傾向は後半になるほど顕著で、第5番など、あの地味な曲が迫力満点、思わず「うひょ〜」と言ってしまいました。
重厚な名演だと思います。

 第5番冒頭
 

なんとも痛快、スケールでっかい、迫力満点!
確信に満ちた雄弁な演奏で、自分のやりたいようにやってる感じが、とても素敵です!
相当個性的で、好みは分かれるかもしれませんが、聴いて面白いことは確か。
目が離せないチェリストがまた一人増えました。

なお、彼女の使用楽器はジャクリーヌ・デュ・プレが若い頃に使っていた1673年製ストラディヴァリウスだそうです。
そういえばニーナ・コトワの豪快で線の太い表現は、デュ・プレを思わせるところもあるような気がします。

 第1番 (たくましい演奏!)
 

(2014.8.31.)


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