バッハ/無伴奏チェロ組曲
(タチアナ・ヴァシリエヴァ 2008録音)

Amazon.co.jp : J.S. バッハ:無伴奏チェロ組曲/Tatjana Vassiljeva

HMV : バッハ/無伴奏チェロ組曲(タチアナ・ヴァシリエヴァ)

Tower@jp : J.S.Bach: Suite for Cello/Tatjana Vassilieva



ここ1年くらい来る日も来る日も練習してきた、バッハ/無伴奏チェロ組曲 第1番
いちおう「修了」ということにいたしまして、先日から本格的に「第2番」に取り組み始めました。

もちろん、「第1番」が完璧に弾けるようになったわけではありません。
相変わらずボロボロギコギコフニャフニャなんですが、

とにかくもう・・・・・・

 飽きた

わけであります。

だから気分は「修了」というより「仮釈放」
ときどき舞い戻って弾いては、進歩のなさに打ちのめされるのが快感(←変態か)。

でもまあ、とにかく「第2番」だ! やるぞ〜!


 ・・・・・・・・


 ・・・・・・なんなんですかこのむつかしさは!


ただいま「アルマンド」の譜読み中ですが、ほとんど暗号解読の世界。
こんな重音、どう弾けばいいんだ・・・・・・?
弦はこう押さえるのかな・・・・・・人差し指がここで、中指がここで、薬指が・・・・・・・指が、指がつるっ!

次のレッスンで先生にあれも訊かなきゃこれも訊かなきゃ状態です。
でも半分くらい訊き忘れるんです。
そして訊いたことも半分くらい忘れちゃうんです(←歳)。


さて、「無伴奏チェロ組曲」のCDで最近お気に入りなのが、タチアナ・ヴァシリエヴァ
2001年のロストロポーヴィチ・チェロ・コンクールで優勝した、若き巨匠です。
2004年に無伴奏リサイタルを聴いたことがあります。
松脂が飛んできそうな至近距離から響き渡るコダーイカサドの無伴奏、圧倒されました。
バッハも第3番を弾いてくれましたっけ。

ところでこのCDの演奏、バッハの無伴奏としてはかなり「軽快」です。
フレーズの終わりをスタッカート風に短く切って、軽妙でさりげない音楽づくり。

私はよく先生から「音がプツプツ切れすぎですよ、もっとつなげて!」と言われるので、
「いいんですか〜タチアナさん、音、切れすぎですよ〜」と言いたくなりますが、
もちろん意識的にやってるわけですね。

重く粘く弾こうと思えば、いくらでもできるところを、今回はあえてカジュアルで涼しげなバッハを演出。
実際、あの重音いっぱいで演奏至難な「第6番」を、これほど流麗かつリズミックに演奏するなんて!
踊れそうなくらいです(いや私は踊りませんが)。
もともと「舞曲」なのですから、こういう演奏もあってしかるべき。

ただし音自体は太くて力強いです。
弦をゴリゴリブンブン鳴らして、気持ちよさそうです。

 組曲第5番・クーラント (ライブ このCDの演奏ではありません)
 

若々しいオーラが発散される素晴らしい演奏ですが、
この曲集に、重量感とか荘厳さとか敬虔さを求める方は他の演奏をどうぞ。

 バッハ「組曲第1番」・デュティユー「ザッハーの名による3つのストローフェ」・バッハ「組曲第6番」 (ライブ このCDの演奏ではありません)
 

(2012.6.9.)


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