ショスタコーヴィチ/ヴァイオリン協奏曲第1番&第2番
 (庄司紗矢香・独奏 ドミトリ・リス・指揮 ウラル・フィルハーモニック)




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Tower@jp : 庄司紗矢香/Shostakovich: Violin Concertos No.1, No.2



ゴールデンウィークが幕を開けました。
しかし私はカレンダー通りの勤務、プラス4月30日と5月5日の祝日にも仕事がありまして、残念ながら遠出はできません。

でもそれ以外の日は休めます。
ひとつチェロでもしっかり練習して、「チェリストとして飛躍のGW」にしようではないか! 異議なし!
ということで、朝から頑張ってギコギコいわせています。
家族はあからさまに迷惑そうです。

しかし、1時間以上弾いていると弦を押さえる左手の指先が痛くなってくるのです。
ポジション移動のときなど、こすれて痛い痛い。
血にじんでませんか?(←にじんでませんでした)
我ながらなんというデリケートなお肌・・・違うって!
いかに普段、短時間しか練習していないかということです。
平日は30分くらいしかできない日が多いからなあ・・・。

練習しているうちに指の皮が厚くなって平気になるはず。
はやいとこ面の皮と同じくらい厚く丈夫にしたいものです。

それにしてもプロの方は、仕事とはいえ数時間弾き続けるんだから、どんなに強靭な面の皮じゃなかった指の皮をしておられることでしょう。


さて、庄司紗矢香さんの新譜はショスタコーヴィチ/ヴァイオリン協奏曲第1番&第2番
重厚長大深刻陰鬱な作品とがっぷり四つに組んでみごと寄り切っています。
なんなんでしょうこの貫禄は。

たとえば第1番第3楽章「パッサカリア」の悲哀と絶望。
戦争の悲劇と関係があると思われるこの楽章(作曲は1947〜48年)で、庄司紗矢香は年齢からは想像もつかない老練かつ堂々たる演奏を聴かせてくれます。
続くカデンツァの超絶技巧も鬼気迫るものが。

第1番第2楽章・第4楽章といった急速楽章も見かけの華やかさに乗せられることなく、ショスタコらしい空騒ぎ感、皮肉な嘲笑を表現しきって余りあります。
これが本当に20代の女性の演奏・・・?

 第2楽章(庄司紗矢香の演奏ではありません)
 

いい歳のおっさんが、迫害と粛清に怯えながら身を削るようにして書いた、暗い暗い曲ですよ!
それを若い身空で、これほど深く完璧に表現するなんて、ホント大丈夫? 無理してない?
と心配したくなるほどです(←余計なお世話)

ヒラリー・ハーンの録音も凄かったけど、庄司紗矢香も負けていませんね。
隅々まで完璧に整えられたハーンに対し、庄司紗矢香は熱気と狂気をはらんだスリリングな演奏です。
(というかハーン、第2楽章速すぎ)

第2番も負けず劣らずの憂愁に満ちた曲。
わたしがとくに好きなのは、3拍子の第2楽章アダージョ
ショスタコーヴィチ風「ゆううつなワルツ」と呼びたい、メランコリックで夢幻的な「夜の音楽」
突然挿入される緊張感の高いカデンツァはどこか東洋風。
庄司紗矢香の演奏は、クレーメル盤よりさらに陰鬱で妖しげで気分が滅入りそうで素晴らしい(←褒めてます)

 第2楽章(庄司紗矢香の演奏ではありません)
 

第3楽章のとってつけたような快活さ、長大で技巧的なカデンツァ、狂騒的な盛り上がり、ただただ圧倒されます。

第1番にくらべると評価が低く演奏機会も少ない第2番ですが、このCDで聴く限り、まったく遜色ない傑作ではないかと。


大変素晴らしいCDですが、しかし曲が曲ですからねえ・・・。
聴いて楽しくなったり、ウキウキしたり、明るい気分になったりすることは期待できませんので念のため。

(2012.5.1.)


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