パガニーニ/ヴァイオリン協奏曲第1番ほか (庄司紗矢香・独奏)
  ドイツ・グラモフォン UCCG-1020、国内盤



Amazon.co.jp : パガニーニ:VN協奏曲第1番


クラシック・ファンの間では、1年程前に話題になったCDですが、いまごろ取り上げたのにはわけがあります。

今年(2001年)の10月21日、高松でサンクトペテルブルグ・フィルを聴きました。
かつてレニングラード・フィルと呼ばれていたオーケストラです。
指揮はユーリ・テミルカーノフ、ソリストが庄司紗矢香で、チャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲を演奏しました。

圧倒的でした。

今まで何度か実演で聴いたことのある曲ですが、こんなに感動したのは初めて。
紗矢香さんは、小柄で細いお嬢さんですが、ヴァイオリンから繰り出す音楽は実に大きく、
テクニックが安定しているのはもちろん、多彩な表現力、音色、すべてがすばらしかったです。
とくにテンポの揺らせ方が自在で、ツアー初日ということもあってか、オケが合わせきれなかったのはご愛嬌。
とにかくまだ18歳でこの表現力はすごい!
よく日本の若手演奏家は、楽譜どうりにうまく弾くけど何を表現したいのか見えない人が多い、と言われますが、庄司紗矢香さんは違います。
ヴァイオリン奏法に関する専門知識を持たない私ですが、この人は天才だと思いました。

というわけで、このCDはその日会場で買ったものです。
発売当時は、レコード会社の売らんかなといわんばかりの宣伝に天邪鬼を決め込んでいたのですが、やっぱり素晴らしい演奏でした。
第1楽章の長大なカデンツァなんか、鬼気迫る感じですね。
若い日本の女流が弾いたパガニーニの1番といえば、いやでも五嶋みどり盤(フィリップス)を思い出しますが
どんなパッセージもクールにばっちり弾きこなしてみせたMIDORIさんの名盤に対して、
紗矢香さんの演奏はパッションとか情念といったものを感じさせます(重ねて言うがまだ18歳!)。
たいへんな人が出てきたものだと、遅ればせながら思いました。
ルーヴルでのライヴを収録したセカンド・アルバムも是非聴いてみたいと思います。

 


(01.11.11.記)



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