メンデルスゾーン/八重奏曲 作品20
(ゲヴァントハウス四重奏団&ベルリン四重奏団)




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先週、数日間東京に出張していました。

出張中の5月14日・土曜日のこと。
ちょっと時間が空いたので、「どこかでいいコンサートでもやってないかな」と検索いたしますれば、
東京藝術大学奏楽堂で、大好きなメンデルスゾーン「八重奏曲」が演奏されるではないですか!

「行く行く! 仕事ほっぽってでも行くっ! 行かねばなるまい!」(←オイオイ)と、
鼻息も荒く上野の駅に降り立てば、さすがは休日の上野公園、
たくさんの人が楽しそうにさんざめき、初夏の風にこちらの心も浮き立つよう。

東京幻術大学・・・じゃなかった藝術大学に行くのは初めて。
上野公園の裏手にあるんですね。
「♪八重奏曲 ♪八重奏曲 ルンルンルン」と「キンチョーリキッド」のメロディで歌いながら(←挙動不審)
新緑が眩しい公園内を10分ほど歩いて、歴史を感じさせる落ち着いた構えの正門に到着。

「こ、ここが、我が国を代表する数々の芸術家を輩出した東京藝術大学・・・」
緊張で右手と右足を一緒に出しながら(←さらに挙動不審)敷地の中へ。

鼻の穴おっぴろげて芸術の香りを満喫しつつ学内をうろつき回ること数分(←極めて挙動不審)、着きましたよ奏楽堂
美しい建物です。まだ新しそう。芸術のオーラが漂います。完全に雰囲気にのまれているワタシ。
開場20分前でしたが、すでに数十人の方が並んでおられました。

プログラムは、ブラームスのピアノ三重奏曲第3番(これも良かった!)とメンデルスゾーンの八重奏曲
八重奏曲の演奏者は、ライプツィヒ四重奏団(メンデルスゾーンのお膝元だ!)+藝大の学生・院生さん4名。

 素晴らしい演奏でした!
 感動いたしました!
 学生と言ってもさすがは藝大であらせられます、完璧なまでの名演奏を聴かせていただきました。

いやあ良かったあ〜。
この曲がますます好きになってしまいました。

 

メンデルスゾーンの八重奏曲は以前、ラルキブデッリの演奏をご紹介しました。
ガット弦を張った古楽器によるミヤビな演奏で、独特のやわらかい響きがお気に入り。

そこで今回は現代楽器をブイブイ鳴らした、対照的な味わいの名演奏を。

ゲヴァントハウス四重奏団とベルリン四重奏団 による録音です。

 ァントハウスルリン・・・

名前からしていかにもドイツ、百パーセント純正ジャーマンな雰囲気。
コチコチガチガチ厳格重厚シカツメラシイ演奏かと思うでしょうがまあ聴いてください。

確かに高域から低域まで見事にコントロールされて一毫のほころびもなし。
水も漏らさぬ完璧なアンサンブルの見本がここに。
正確無比・上品端正ながら、決してメカニカルではありません。
エモーショナルであるべき個所は決してはずさないリリカルなうたごころの鋭敏さ。
ライヴなノリノリ成分もたっぷり配合、聴いていて思わず体が動く、腰が浮く。

第1楽章の展開部の終わり、全楽器による十六分音符のユニゾンから再現部になだれ込むクライマックス部分(10:30ごろ〜)の突進力、
興奮します、鳥肌立ちます、ぞわぞわ。

 

第4楽章では対位法をくっきり浮かび上がらせながら、マッシヴにぐいぐい押してくる押してくる。
熱く昂ぶりながらも、音のかたちはしゃんとして盤石の響き。

第1ヴァイオリンは名匠カール・ズスケ
鍛えぬかれたワザ、あふれるパワー、歌い回しの姿の良さ極まって、ほとんど神がかってます。

ズスケ率いるベルリン四重奏団の録音では、ベートーヴェンの弦楽四重奏曲全集 iconが世評高いですが、
このメンデルスゾーンも勝るとも劣らないと思うのであります。

(11.5.23.)


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