ヘンデル/合奏協奏曲集作品6 
イル・ジャルディーノ・アルモニコ
Il Giardino Armonico




Amazon.co.jp : 12 Concerti Grossi Op. 6


ジョージ・フレデリック・ヘンデル没後250年のためか、ヘンデルのCDがいろいろと目につく今日このごろです。

これは古楽器過激派集団イル・ジャルディーノ・アルモニコが2008年に録音した、

 「合奏協奏曲集 作品6」

全12曲、楽しくて綺麗な曲ばかり。
完成度の高い名曲でありながら、聴くものに余計な緊張や心構えを要求しない、娯楽音楽の王道、究極のリラクシング・アイテム
バロック界のゴンチチと呼ばれているとかいないとか(←いません)。

イル・ジャルディーノ・アルモニコといえば、彼らの出世作、ヴィヴァルディ「四季」(1993録音)の、自由奔放・好き勝手な演奏ぶりには、驚いたものです。
「冬」の冒頭なんか現代音楽かと思いましたよ。

さて新作のヘンデル、ボロッちいバス(故障中?)の周りにたむろする人相の悪いオッサンたちという人を小馬鹿にしたようなジャケット写真に、
いやおうにも期待は高まります。。。。



聴いて納得、イルジャル節いまだ健在、激しいアタックや思い切った強弱の変化が快感であります。
これはノレるわあ〜。

第6番 第4楽章 (は、激しい)


第7番第2楽章で突然ハープシコードのカデンツァを挿入したりします。(楽譜ではフェルマータになってますから、カデンツァ入れても良いのかな?)



通奏低音にハープとテオルボを使用、華やかで柔らかい色どりを加えているのも彼ららしい。
ときどきオルガンも聴こえて、いや賑やかです。

でもやりすぎって感じではなく、アクティヴでヴィヴィッドなヘンデルとして大変面白く聴かせていただきました。
というかイルジャルなら、この程度はやってくれないと困ります。

スピード感も申し分ないのですが、いろいろ遊んでるためかCD3枚でトータル170分弱と、演奏時間は長めです。

ヘンデルの作品6に新たな名盤誕生であります。
以前にご紹介したアンドルー・マンゼ/AAM盤がオーソドックスな名演として、イチオシのスタンダードだと思いますが
イルジャルのはじけっぷりも実に素晴らしいです。

(09.2.12.)


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