ヘンデル/合奏協奏曲集 作品6
(アンドルー・マンゼ指揮 アカデミー・オブ・エンシェント・ミュージック 1998録音)




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ヘンデルの合奏協奏曲集 作品6

バロック期の協奏曲集として、すんばらしい傑作だと思うのです。
ヴィヴァルディの「調和の霊感」アルビノーニの「作品9」バッハの「ブランデンブルグ協奏曲」などと
互角に渡り合っている重要作、ヘンデル聴くなら「水上の音楽」よりコレですよ絶対。。

12の協奏曲からなっていて、全曲では3時間近い大作。
1739年(ヘンデル54歳)の10月に、ほぼ1ヶ月で書き上げられました。
なんというスピード! 
当時のヘンデルの勢いというか、油の乗り具合には空恐ろしいものを感じます。
大作ではありますが、全体に一種の「軽み」が漂っていて、
良い具合に力が抜けているのが魅力です。
これに比べると、ブランデンブルグ協奏曲など、滅茶苦茶リキんでるって感じが (トランペットやら、ホルンやら、けっこううるさいっ!)。

 協奏曲第2番より アレグロ (ふたつのヴァイオリンの小粋な掛け合い)
 

キャッチーなメロディが次々に現れつつ、一陣の風のように爽やかに流れゆく音楽。
ヘンデル自身、オペラの幕間に間奏曲として使っていたらしく、いかにも肩のこらない、「ちょっと一息」ムードを演出してくれます。

 協奏曲第6番よりミュゼット (のどかな主部と緊張感あるれる中間部の対比が素晴らしい)
 

この曲を初めて聴いたのは、コレギウム・アウレウム盤のLP(ドイツ・ハルモニア・ムンディ、1975年録音)。
今となっては、だるいテンポの古色蒼然的演奏ですが、刷り込みとは恐ろしいもの、
今回久しぶりに聴き返してみて、思わず「おかーさーん!」とさえずりながらついて行きそうになりました。

その後もいろいろな演奏で聴いてきましたが、今現在「これがイチバン!」と思っているのは、
アンドリュー・マンゼの指揮と独奏による Academy of Ancient Music 盤
従来CD3枚が普通だったこの曲を、むりやり(?)2枚に詰め込んでいますが、全く無理をしているように感じさせない、マンゼのセンスの良さが光ります。
スマートでスピーディ、軽やかで活き活き、とっても楽しそうな演奏です。
このマンゼという人、ときにエキセントリックな演奏で聴くものの度肝を抜いてくれるのですが、ここでは爽やかで明朗快活なパフォーマンス。
レギュラー盤なのでやや高価ですが、本当に素晴らしい演奏です。

 全曲
 

(04.2.1.記)



(09.2月 追記)
イル・ジャルディーノ・アルモニコによる新録音が発売されました!


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