アルビノーニ/協奏曲集 作品9
シモーネ/イ・ソリスティ・ヴェネティ盤
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トマゾ・アルビノーニ Tomaso Albinoni(1671〜1751) は、
「四季」で有名なヴィヴァルディとほぼ同じ時代に、同じ街ヴェネツィアで活躍した作曲家です。
アルビノーニの人物については、以前トリオ・ソナタ 作品1をご紹介したときに書かせていただきました。
そんな彼の作品の中で、私が一番好きなのが、五声の協奏曲集 作品9。
当時の慣習どおり、12曲の協奏曲が収められていて、ヴィヴァルディの最良の作品と比べても引けを取らない、すばらしい曲ぞろいです。
アルビノーニの音楽の特徴は、伸びやかで、くったくがないこと、でしょうか。
ヴィヴァルディが、オクターヴ跳躍や、同音反復、強弱のコントラストの強調により聴くものの耳をいっぺんでとらえてしまうのに対して、
アルビノーニは品の良いメロディと柔和な響きで、一度聴いただけでは印象に残りにくいですが、聴けば聴くほどに心にしみこんできます。
いかにも育ちの良い人が作った音楽という感じがします。
(いや、べつにヴィヴァルディが下品だとか育ちが悪いとかいうわけでは・・・)
独奏楽器は、1,4,7,10番がヴァイオリン・ソロ、2,5,8,11番がオーボエ・ソロ、3,6,9,12番が2本のオーボエと、規則的に並べられています (几帳面)。
全体的に、ヴァイオリン協奏曲よりも、オーボエ協奏曲のほうが良いな〜と、個人的には思います。
第2番ニ短調と、第8番ト短調のオーボエ協奏曲が特にお気に入り。
CDですが、一番好きなのが、シモーネ/イ・ソリスティ・ヴェネティ盤(エラート)。
弦の音に甘い艶があっていい気持ち。 テンポの速い運びも好みです。
ピエール・ピエルロのオーボエは、明るい音色で「元気があってよろしいっ!」と言いたくなります(でもちょっと一本調子?
いや、いいんです、いいんです)。
協奏曲 作品9の2 第1楽章 (哀愁のオーボエ)
協奏曲 作品9の2 第2楽章 (癒しのオーボエ)
協奏曲 作品9の8 第3楽章 (疾走するオーボエ)
イ・ムジチ盤(フィリップス)は、暖かみのある、ふくよか&おだやかな演奏。 オーボエのホリガーも陰影豊かですが、
いくつかのアレグロ楽章で、もう少しテンポ速くしてくれよ〜、と思っちゃうんですね。
協奏曲 作品9の2 第1楽章 (ハインツ・ホリガー独奏 イ・ムジチ)
ホグウッド/AAM盤(デッカ)は、今のところ唯一の古楽器による全曲盤です。
マンゼをはじめ腕利きのプレイヤーをそろえた、速いテンポのさわやかな演奏です。
(「速ければええんかい!」 と言われそうですが、やっぱりアレグロはアレグロらしく演奏してほしい私です)
バロック・オーボエのちょっと乾いてくすんだ音が、好みの分かれるところか。 私は慣れました。
協奏曲 作品9の2 第1楽章 (ホグウッド/AAM)
(02.12.9.記)
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