アルビノーニ/トリオ・ソナタ集作品1(演奏:Parnassi musici)
(cpo 999770-2)
Amazon.co.jp : Tomaso Albinoni: Trio Sonatas, op. 1
トマゾ・アルビノーニ Tomaso Albinoni(1671〜1751)は、ヴィヴァルディとほぼ同時期に同じ街、ヴェネツィアで活躍した音楽家です。
製紙業とトランプ製造を営む裕福な家庭に生まれた彼は、音楽を職業ではなく、趣味としてたしなむという意味で
1694年に出版した「トリオ・ソナタ集作品1」では「ヴェネツィアのディレッタント(芸術愛好家)」と、自称しています。
その後、家業は傾いたりもした(?)ようですが、本人は、歌手で美人の奥さんをもらって80歳まで長生きしたそうな(なんかうらやましい)。
そのトリオ・ソナタ集作品1、いままで全曲盤がなかったんですが、やっと出ました。(2000年4月の録音)
先輩であるコレルリも、ちょっと後輩のヴィヴァルディも、トリオ・ソナタ集のCDは複数出ているのに・・・
ちょっとかわいそすぎませんか?
曲は12曲すべて、緩急緩急の4楽章構成の教会ソナタ。
長調・短調各6曲ずつで、C,G,D,A,F,B,6つの調の長短できちんと構成されています。
内容的にはコレルリのソナタに良く似ていますが、渋い落ち着きを感じさせるコレルリに比べると、
感傷的なメロディや、明るい歌を聴かせてくれる部分が多いかな?
いままで録音がなかったのが不思議なほど魅力的なイタリア・バロックの名品だと思います。
トリオ・ソナタ 作品1−1 第2楽章アレグロ (優美で軽やかです)
アルビノーニの器楽曲は、なかなか良い曲が多くて、
協奏曲集作品9など、ヴィヴァルディの最良の作品と比べても遜色ないと思うのですが、録音は絶望的に少ないですね。
作品3,8などは、まだ全曲盤がない状態です。なんとかしてくださ〜い。
オペラも50曲ほど書いたのに、ほとんど残っていないらしいです。
トリオ・ソナタ 作品1−3 第1楽章グラーヴェ (グラーヴェだけど重々しくありません)
私、個人的に、アルビノーニとヴィヴァルディの関係がどうだったのかに興味を持っています。
仲が悪かったのか良かったのか、お互いライバルとみなしていたのかどうか。
ヴィヴァルディは、やはり当時ヴェネツィアで活躍していた貴族音楽家、マルチェッロ兄弟と劇場の所有権をめぐり確執があったりしたので、
貴族に近かったアルビノーニともやっぱりそりが合わなかっただろーなと、思ってはいるんですが、資料など残っていないんでしょうか。
実はけっこう仲が良くて、ときどきいっしょに呑み歩いていた、
なんてことだったら楽しいんですが (^J^)。
トリオ・ソナタ 作品1−11 第2楽章アレグロ (軽やかなフーガ)
(01.12.10.記)
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