ビーバー/ロザリオのソナタ
ワルター・レイター(vn) アンサンブル・コルダリア
Amazon : Biber: the Mystery Sonatas
みなさまこんにちは。
唐突ですが17世紀ヴァイオリン音楽の最高傑作といえば、
ハインリヒ・イグナツ・フランツ・ビーバー(1644〜1704)の「ロザリオのソナタ(ミステリー・ソナタ)」で間違いないです!
多分ないと思う。 ないんじゃないかな。 海は死にますか。
さてこの曲、「キリストの秘蹟に基づく15のソナタと、パッサカリア」という
そこまで言わいでもと思うほどの仰々しいサブタイトルがついてますが、大丈夫ですよ、怖くないですよ〜。
聴いていただければ、自由でファンタジックな美しい音楽であることがおわかりになるはず。
さて17世紀ヴァイオリン音楽の最高傑作である(←しつこい)この曲のCDが、なんと1000円そこそこで(2枚組です)発売されました!
もともとドイツのSIGNUMレーベルから2001年に発売されたアルバム。
廉価版レーベルのブリリアントから、超お買い得価格での再発売です。
このCD、2001年当時にフル・プライスで買ったんですが、ろくに聴いていなかった・・・く、悔しいぞ。
今回、モトをとるべく(?)聴きなおしてみました。
・・・はい、とても良い演奏ですね〜(なら聴いとけ)。
標題性や宗教性を強調せず、純粋にヴァイオリン・ソナタとして美しく演奏していますが、テンポや強弱の変化は大胆かつ刺激的。
優雅な箇所は優雅に、激しい箇所は激しく演奏しており、退屈しません。
録音も素晴らしく、どなたさまにも安心しておすすめできそうです。
伴奏はハープシコード、オルガン、テオルボ、ハープ、ヴィオラ・ダ・ガンバなどを豪華に動員、やわらかく暖かい響きです。
全16曲からなるこの曲集、さらに1曲ごとに宗教的な標題
(受胎告知、キリスト降誕、オリーヴの山でのイエスの苦しみ、耳の長い登場人物、干からびた胎児
←嘘 など)
がついていますが、そんなもん全然気にしなくて良いです。
美しい音の流れをただ楽しむのみでございます。
ところで「なにがミステリーなの?」と不思議に思われたかたもおられると思います。
じつは「秘蹟」を英語でミステリーと言います。
ミステリー・ソナタとは「謎に満ちたソナタ」という意味ではなく、「キリストの秘蹟を描いたソナタ」という意味なんですね。
ソナタ第1番「受胎告知」より前奏曲
ソナタ第4番「イエスの神殿への拝謁」 (シャコンヌ)
(07.8.8.)
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