ビーバー/ヴァイオリン・ソナタ集(寺神戸亮)
(DENON COCO−70742)



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デンオン・レーベルの大好評1000円盤シリーズ「クレスト1000」第4弾が出ました。

ボーナスも出たことだしと、さっそくホクホク買い込んだ私、
実はCD棚には、「クレスト1000」の第3弾が何枚か、まだ封を切らずに並んでたりするのですが・・・。 
ま、気にしないっと。

今回買った中でいきなり気に入ってしまったのがこれです。
ハインリッヒ・イグナツ・フランツ・フォン・ビーバー(1644〜1704)は、大好きな作曲家で、
このCDに収録されている曲も、演奏者は違うもののすでに持っているので、少し迷ったのですが、やはり買って正解。

日本を代表するバロック・ヴァイオリン奏者・寺神戸亮(てらかど りょう)の、なんと深みのあるしっとりした音。
最初に収録されている「8つのヴァイオリン・ソナタ」は、アンドルー・マンゼのCDを持っているのですが、
鋭角的に切り込んでくるマンゼに対し、ふくよかでスケールの大きな寺神戸。

私の好みは断然、寺神戸です (マンゼ盤も、グラモフォン・アウォードを受賞した名盤中の名盤ですが)
ひとことで言えば、マンゼはドライで寺神戸はウエットな印象、日本人のメンタリティはやはりウエットを求めるのか。
さらに言えば最近私ドライアイ気味で・・・(関係ないって)。

ビーバーのいくつかの曲集からうまく選んだ選曲もグッド。
「ザ・ベスト・オブ・ビーバー!」的、ビバノンノンな一枚ですねえ。 価値ある1000円。

「描写的なヴァイオリン・ソナタ」は鳥や動物の声を模した曲。
2:17からナイチンゲール、4:00からカッコウ、4:44からカエル、5:50からめんどりとおんどり、7:10から猫、7:53から軍隊を描写してます。
ビーバーはショーマンシップに富んだ人で、こういうウケ狙いの曲もけっこう書いてます。

 (4:44〜「カエル」の不協和音は圧巻、「現代音楽かっ!」と突っ込んでしまうこと請け合い)

いっぽう「ロザリオのソナタ」のような真摯で奥深い傑作も残していて、本当に興味深い人です。

 ロザリオのソナタ より パッサカリア
 

(04.12.28記)


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