ビーバー/ロザリオのソナタ
(アンドルー・マンゼ(ヴァイオリン)、リチャード・エガー(オルガン&チェンバロ)
(Harmonia Mundi France HMU907321.22)



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ハインリヒ・イグナツ・フランツ・フォン・ビーバーの代表作、「ロザリオのソナタ」
バロック・ヴァイオリンの名手 アンドルー・マンゼが録音しました。
このマンゼという人、1994年には、やはりビーバーのソナタのCDで、Gramophone Award を受けています。

さて、バロックのヴァイオリン・ソナタは、基本的にヴァイオリン+通奏低音という編成です。
通奏低音は20世紀の頃はチェンバロ独奏が普通でした(たまにオルガンだったりピアノだったり)。
ところが最近はチェンバロに加えて、リュートやらテオルボやらヴィオラ・ダ・ガンバやらバロック・チェロやらハープやら琵琶やら三味線やら(←嘘です)、
何種類もの楽器を使って賑やかに演奏するのが流行りです。
言われてみると、私が今もっている「ロザリオのソナタ」のCDは(わっ、6種類もある!)、すべて2つ以上の楽器が通奏低音を受け持っています。
なかには通奏低音が4人というのもあり、ヴァイオリンの音が埋もれてしまうのではないかと心配になるほど。

ところが、このマンゼ盤の通奏低音は、リチャード・エガーのチェンバロまたはオルガンのみ。
2人だけで演奏する利点は、人件費が節約できることと、響きがシンプルなこと。
実際、非常に新鮮な演奏を聴かせてくれます。

「ロザリオのソナタ」よりソナタ第1番(マンゼ/エガー)


かつては、エキセントリック&刺激的な演奏で知られたマンゼも、このCDは、ずいぶん落ち着いた感じ。
録音もくっきりした音で、この曲の宗教的な面はあまり強調せず、スコルダトゥーラを駆使した技巧的なヴァイオリン・ソナタとして楽しそうにバリバリ弾いています。

最後の有名な無伴奏のパッサカリアも堂々とした素晴らしい演奏。
実はこの曲は、10年前の Gramophone Award の盤にも収録されていて、聴き比べるとヴァイオリニストの10年間の成長が手にとるようにわかる・・・
と言いたいところですが、どちらも「いい演奏だなあ」としか言えませんです。

新録音


旧録音


CDの終わりには、マンゼ自身の肉声による「スコルダトゥーラの解説」が収録されています。
偉い先生の講義を聴いている気分、気持ちよく眠くなってきます。

(05.3.12.記)


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