ヴィルトゥォーソ・イン・ザ・メイキング
(ビーバー初期作品集)
 (演奏:リコルド)
(LINN CKD 195)



Amazon.co.jp : Biber: Virtuoso in the Making


「ビーバー初期作品集」
といっても古いエアコンの展示会ではありません(誰もそんなこと思わんって)

ハインリッヒ・イグナツ・フランツ・フォン・ビーバー(長いぞっ!)、
1644年にボヘミアで生まれ、1704年にザルツブルグで亡くなった作曲家/ヴァイオリニストです。
代表作はなんといっても「ロザリオのソナタ」(以前ご紹介しました)。

彼の音楽の特徴は、実験的・野心的・革新的であること。
ヴァイオリンの調弦をわざわざ違えて曲を書いたり、無伴奏ヴァイオリンのためのパッサカリアを書いたり(バッハのシャコンヌの先駆)、
ザルツブルグ大聖堂のために53声部という超弩級のミサ曲を作ったり、いろいろ面白いことをやってくれました。
腕が立つと同時に、けっこうな目立ちたがり野郎だったのでしょう。
このCDはそのビーバーの知られざる初期作品を集めた一枚です。

収録曲が知られざる作品ばかりなのも当然、若きビーバーが仕えていたモラヴィアのクロム・ニェジェーシュ城に所蔵されている未出版の自筆楽譜を、
演奏者たちがみずから校訂したものです。
「そこまでして珍しい曲が弾きたいんかい!」と言いたくなりましたが、こちらも珍しい曲が聴きたいから買ったわけで、おあいこですな。

 ソナタ ホ長調 よりアリアと変奏
 

内容は、ヴァイオリン曲が中心ですが、トロンボーンをフューチャーした曲と、リュート独奏曲を1曲ずつ入れています。
若き日の作品と思って聴くからなのか、 素直でイキの良い曲が多くて、楽しいです。
これがデビューCDとなる若き古楽器グループ リコルドも、比較的単純な楽譜からイマジネーションあふれる音楽を創造しています。
「ソナタ ホ長調」後半のノリの良い舞曲調とか、「ソナタ ハ短調」の荘重なシャコンヌなどが特に気に入りました。
楽譜、そう、このCDはなんと、エクストラトラックにすべての曲の楽譜が収録されていて、アクロバット・リーダーで見ることができます。
昔のクラシックレコードにはときどき「楽譜つき」のものがありましたが、ああいうのが形を変えて戻ってきたみたいで、うれしいですね。

 ソナタ ハ短調
 

みずみずしい録音も素晴らしいですが、リンですから、これはいわずもがな。

(03.2.7.記)


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