矢代秋雄/ピアノ協奏曲



ヤシロアキ、ではありません。ヤシロアキオ、です。
矢代秋雄(1929〜76)は、現代音楽の作曲家で、その早すぎる死(享年46歳)は、いまも惜しまれています。
ピアノ協奏曲」は、1967年の作品で、矢代の最高傑作であると同時に
日本人の手になるピアノ協奏曲の最高傑作だと、私は思ってます。
他に誰の協奏曲を聴いたことがあるの? といわれると困りますが・・・

第1楽章、アレグロ・アニマート
冒頭、ピアノのオクターヴで出る幻想的な第1主題からして見事です。
透明な響き、でもどこか東洋的な色合いを帯びた魅力的なメロディ。
激しい動きの経過主題、日本的情緒の第2主題と提示してゆき激しい展開部へ。
その展開のクライマックスで力強く第1主題が奏され再現部へ・・・
実にきちんとしたソナタ形式の楽章なのですが、現代風、日本風な味付けも不足せず、
見事な音楽に仕上がっています。

 

第2楽章、アダージョ・ミステリオーソ
ピアノがハ音で提示する単調なリズム・オスティナートを43回も繰り返すうえに奏でられる
美しくも不気味な幻想と夢魔の世界。
作曲者が子供の頃、熱を出して寝込んだときに見た「怖い夢の思い出」なんだそうです。

 

第3楽章、アレグロ〜ヴィヴァーチェ・モルト・カプリチオーソ
フィナーレはロンドです。
ロンド主題は第1楽章の経過主題が変化したもの、
ほかにも第1&2楽章の素材があちこち顔を出しながら、華やかで力強い終結へと向かいます。

 

CDですが、初演者である中村紘子の演奏が複数あったものの全部廃盤になっちゃったと思っていたら、
最近、キングレコードから「N響ライヴシリーズ」の1枚として出ました。

★N響・伝説のライヴシリーズ・尾高賞受賞作品2(キング KICC 3024)
 中村紘子独奏、岩城宏之指揮のライヴ録音です。
 初演後間もない1968年3月の演奏(初演は1967年11月)で、熱気にあふれています。
 残念なのは録音が今ひとつ、こもったような音であることです・・・

★館野泉独奏、佐藤功太郎指揮、都響盤(FONTEC 3303)
 1992年の録音、音は良いです。
 中村さんに比べると冷静で落ち着き払ったような演奏で、
 館野さんはこの曲をすでに古典としてとらえているようです。
 これまた深みのあるよい演奏だと思います。

また、もうすぐ偉大なる廉価盤レーベル、ナクソスから、
同じ作曲家の「交響曲」(これも名曲!)とのカップリングで、
岡田博美独奏の演奏が出ることになっています。
とっても楽しみです! (出ました → クリック

(2001.11.9.記)   
  

中村紘子・岩城・N響盤 館野泉・佐藤・都響盤

「お気に入り音楽箱(クラシカル)」へ

「整理戸棚」へ

「更新履歴」へ

HOMEへ


(2003年5月・追記)
今年3月、「デンオン・クレスト1000」シリーズの一枚として、
初演者・中村紘子さんの1968年5月の録音が、1000円で発売されました。
名演です!!                       (こちらをどうぞ → クリック)