ロータス・カルテット/ランドスケープ
(2000年)



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<曲目>
矢代秋雄/弦楽四重奏曲
西村朗/弦楽四重奏曲第2番「光の波」
細川俊夫/ランドスケープT〜弦楽四重奏のための
武満徹/ランドスケープT〜弦楽四重奏のための
三善晃/弦楽四重奏曲第3番「黒の星座」


そもそも、弦楽四重奏は、渋いジャンル。
お茶なら濃い緑茶、絵なら水墨画、本なら哲学書、音楽なら・・・だから弦楽四重奏。
しかし、クラシック音楽のエッセンスが凝縮された、魅力的なジャンルでもあります。

そして、日本の現代音楽もまた、渋いというか難解なジャンル。
ジャズならフリージャズ、演劇ならアングラ小劇団、映画ならモノクロ自主制作。
しかし、日本人ならばやはり聴くべきでしょう、日本人が作った音楽を。

というわけで(どういうわけだ?)唐突に、現代日本の弦楽四重奏曲について浅く掘り下げてみることにいたしました。
聴いたCDは、うら若い日本人女性4人からなるロータス・カルテット「ランドスケープ」です。

最初の矢代秋雄/弦楽四重奏曲(1955)は古典的な4楽章からなる作品。 まずは小手調べ。
「ピアノ協奏曲」で有名な作曲者の出世作で、フランス仕込みの端正&繊細な響きが素敵な曲。
適度に東洋的な味付けもされていて、アイデンティティの主張も過不足なし。
普通のクラシック音楽の延長で、抵抗なくスーッと聴けてしまいます。
 

西村朗/弦楽四重奏曲第2番『光の波』(1992)
七色の響き、響き、そしてリズム。
どういう演奏法かわかりませんが、いろいろな音が出るものです。
犬が吠えてるみたいなところもあって、つい笑ってしまいます。
と思ったら突然静かになり、息の長いメロディがゆーっくりと歌われます。
後半は痙攣するような甲高い音の応酬からめまぐるしいパルスの交換、ついには荒々しいリズムの饗宴へ。
宇宙空間をアジア原産の虫の群れが飛びまわっているような、熱い曲。
 

細川俊夫/ランドスケープT〜弦楽四重奏のための(1992)
ひんやりとした緊張感のある響き。 日本的な「間」の音楽。
和室に正座して、シシオドシの音や木々のそよぎに耳を傾けているような気分。 
沈黙と静謐の美。 不思議な心地よさ。
ちなみに私は正座をすると必ず痺れが切れます。 10分は立ち上がれません。

武満徹/ランドスケープT〜弦楽四重奏のための(1961)
なぜか前の曲と同じタイトル。
こ、これは厳しい音楽だ! 初期の武満徹! 
細川作品に似た、沈黙と緊張の音楽ですが、さらにモノトーンな感じでちょっとつらい。
・・・結局何が言いたいのかわかりませんでした。 武満、手ごわい。

三善晃/弦楽四重奏曲第3番「黒の星座」(1992)
まるで歌謡曲のようなタイトルですが、ヴォーカルは入りません。
ゆったりとした低音の響きに始まりますが、突然怒ったようなすばやい強音のパッセージにドキッとします。
難解な音楽ですが、演奏時間が短い(5分20秒)ので、退屈する前に終わってしまって「あれ?」という感じです。
なにが「星座」なのかよくわかりません・・・。
 

現代日本の弦楽四重奏曲にも、いろいろな作品があるものです。
もはや古典である矢代作品は別格として、どの作品もそれぞれの持ち味があって面白いです。
それにしてもロータス・カルテット、すごいテクニックです。切れ味鮮やか。

おしんが出てきそうなジャケットも良いです。

(07.5.6.)


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