日本の名協奏曲集 (DENON COCO-70507)



Amazon.co.jp : 吉松隆:ファゴット協奏曲ほか

Tower@jp : 吉松隆:ファゴット協奏曲《一角獣回路》 尾高尚忠:フルート協奏曲 矢代秋雄:ピアノ協奏曲

曲目
吉松隆/ファゴット協奏曲「一角獣回路」(1988)
尾高尚忠/フルート協奏曲(1948)
矢代秋雄/ピアノ協奏曲(1967)



20世紀に日本で書かれた協奏曲の名作が3曲、おさめられています。

吉松隆/ファゴット協奏曲「一角獣回路 (Unicorn Circuit)」は、
「京都をイメージした作品」として京都市交響楽団から委嘱されたもので、
各楽章には、第1楽章「秋・Input」 第2楽章「冬・Bias」 第3楽章「春・Output」 というサブタイトルがついています。

ギター協奏曲「天馬効果 (Pegasus Effect)」、トロンボーン協奏曲「オリオン・マシーン (Orion Machine)」など、
吉松さんの曲にはどれも、ついつい聴いてみたくなるようなタイトルがつけられています(この商売上手!)。

 

祇園祭のパレードに触発された曲ということで、オーケストラはジャパネスクできらびやかな音世界を展開。 まるで音の屏風絵のよう。 
それをバックにファゴットの朴訥とした音色が、行ったり来たりするさまは、華やか、かつユーモラス。
構造的にはちょっと把握しにくい曲のように思えますが(私の聴きこみが足りない?)、美しくうつろいゆく音の響きだけで、充分楽しめます。

尾高尚忠/フルート協奏曲は、全3楽章で14分ほど。 軽快でしゃれた曲。
ヨーロッパ風の音楽ですが、第2楽章では、日本的・東洋的な顔ものぞかせます。
のびやかで肩の凝らない、きれいなフルート協奏曲。

 

矢代秋雄/ピアノ協奏曲 
日本人が書いたピアノ協奏曲の最高傑作(と私は思ってます)
昨年、ナクソス・レーベルから岡田博美・独奏のCDがリリースされましたが(これも1000円!)、
今回は初演者・中村紘子の演奏。 初演から半年後(1968年5月)の、熱いパフォーマンスです。
第2楽章など、おどろおどろしい雰囲気が良く出ていて、ナクソス盤より「濃い」演奏となっております。 
クールで透明感ある岡田博美、熱くて濃厚な中村紘子、お好みでどうぞです。
私はどちらかと言うと中村紘子のほうが・・・(実はこれ、私にとってこの曲の「刷り込み演奏」なんです)

 

なお、矢代秋雄/ピアノ協奏曲に関しては、こちらの記事もぜひご覧ください。

(03.5.5.記)


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