Laura Young Plays Max reger
(ギターによるレーガー無伴奏作品)

(ローラ・ヤング:編曲&ギター独奏 2015録音)



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<曲目>
(1)無伴奏ヴァイオリンのための前奏曲とフーガ ホ短調 作品117-3
(2)無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第1番 ニ短調 作品42-1
(3)無伴奏ヴァイオリンのための前奏曲とフーガ ト長調 作品131a-3
(4)無伴奏チェロ組曲 第3番 イ短調 作品131c-3
(5)無伴奏チェロ組曲 第1番 ト長調 作品131c-1

ギター編曲・独奏:ローラ・ヤング


今年2016年は、ドイツの作曲家マックス・レーガー(Max Reger 1873〜1916)没後100年のアニヴァーサリー。
それを記念してか、レーガーの弦楽器のための無伴奏作品をギターで弾いたアルバムが出ました。
バッハの無伴奏チェロ組曲などをギターリュートで弾いたアルバムはときどき見かけますが、レーガーは私の知る限り初めて。


重厚長大で脂肪過多な音楽(と体格)で知られるレーガーは、じつは無伴奏弦楽器作品をたくさん書いています。

 4つの無伴奏ヴァイオリン・ソナタ 作品42
 7つの無伴奏ヴァイオリン・ソナタ 作品91
 無伴奏ヴァイオリンのための8つの前奏曲とフーガとシャコンヌ 作品117
 無伴奏ヴァイオリンのための6つの前奏曲とフーガ 作品131a
 2つのヴァイオリンのための3つのカノンとフーガ 作品131b

 3つの無伴奏チェロ組曲 作品131c
 3つの無伴奏ヴィオラ組曲 作品131d


これだけ書いたのならギターのための作品も書いとけばよかったのに・・・と思わずにいられません。
さて、ギターで聴くレーガー、どんなもんでしょう。
演奏と編曲はローラ・ヤングというお方。

 前奏曲とフーガ ホ短調 作品117−3 より「前奏曲」
 

 ・・・・・・さ、爽やかですっ! お洒落ですっ!


まさかレーガー聴いて「爽やか」「お洒落」なんて言葉が出てくるとは思いませんでした。
冷たくてさっぱりした鍋焼きうどん、歯ごたえたっぷりのお粥に出会ったような衝撃です。
意外なことにギター作品として自然に楽しめます、とっても風通しが良くて洗練された雰囲気に空いた耳がふさがりません(←普通耳はふさがらない)。
原曲からの変貌ぶりはバッハ以上、作曲者を伏せて聴かせたら、かなりクラシックに詳しい人でもレーガーとはわからないのでは。
しかも弾いてるのは綺麗なお姉さんギタリストですから、マックス・レーガーとの組み合わせはまさに「美女と野獣」。
ギターで弾いてもこんなにイケるなんて・・・レーガーの思いもよらない面を見せてもらいました。
これから徐々に、ギタリストのレパートリーとなっていってほしいです。

 無伴奏チェロ組曲第1番 作品131-1 より「前奏曲」 (か、軽やかだ・・・)
 

こうなると、イザイの無伴奏ヴァイオリン・ソナタも誰かギターで弾いてくれませんかねえ・・・さすがに無理か。

 無伴奏ヴァイオリン・ソナタ ニ短調 作品42−1 より第1楽章 (ちょっとスパニッシュな香りが魅惑的)
 

(2016.04.23.)


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