レーガー/3つの無伴奏チェロ組曲
(グイド・シーフェン 独奏)




Amazon.co.jp : Reger: Cello Suites Nos. 1-3

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Reger: Cello Suites:No.1-3:Guido Schiefen(vc)



「無伴奏チェロ組曲」といえば、もちろんバッハなわけですが、バッハだけではないのであります。
じつはマックス・レーガー(1873〜1916)と、ベンジャミン・ブリテン(1913〜1976)が、それぞれ3曲無伴奏チェロ組曲を残しています。

なお、ややこしいので無伴奏チェロ・ソナタは無視します。

ブリテンの無伴奏チェロ組曲は、異教の呪文のような不思議な音楽。
面白くないこともないような気がしないこともないのですが(なんじゃそりゃ)、実のところさっぱりわけがわかりません。
お手上げです。
どういう音楽なんでしょうか、これ。

そこへいくとレーガーのはわかりやすい。
「バッハへ帰れ」をモットーとしただけあって、
組曲第1番の第1曲「前奏曲」は、「これバッハの無伴奏第何番だっけ?」と思ってしまうほど親しみやすい音楽です。

 無伴奏チェロ組曲第1番・第1楽章「前奏曲」
 

第2曲アダージョは、ほとんど重音が途切れることのない難曲で、チョー美しい。
抒情的であると同時に情熱的、これはまぎれもないロマン派の音楽。

そして第3曲(終曲)はなんと「フーガ」
チェロ独奏で4声のフーガですよ!
聴くほうは面白いけど、弾くほうは大変でしょうね。

第2番では、第1曲ラルゴの悠然たる情感が素晴らしい。
なんというロマンティックな歌! 作曲者の顔からは想像もできません。

第3番では、7分を超える終曲「アンダンテと変奏」が圧巻。
味わい深く、滋味にあふれ、長さを感じさせません。
沁みます。

 無伴奏チェロ組曲第3番・第3楽章「アンダンテと変奏」
 

バッハの無伴奏を下敷きにしているものの、決してバッハの二番煎じではありません。
バロックとロマン派の見事な融合に耳を奪われるがよろしくってよ!

じつのところマックス・レーガーの管弦楽曲は往々にして、
仰々しすぎてなにがなんだかわからなかったり、長大すぎてなにがなんだかわからなかったり、言いたいことが多すぎてなにがなんだかわからなかったりします。

 「些細な曲想のかけらを、もったいぶってにぎにぎしく寄せ集めた挙句に、収拾のつけようがなくなり、
  結局、不愉快極まりない後味を伴った、お粗末この上ない作品に仕上がっている」
          (ニューヨーク・タイムズに掲載されたレーガーのピアノ協奏曲評)

いやー、ひどい言われようですね。
・・・しかも当たっているだけにキツイ。

そこへいくと、この無伴奏チェロ組曲は、すっきりとまとまっていて聴きやすく(弾くのは大変でしょうが)、実に気持ちいいです。

CDはいろいろありますが、レーガー自身が演奏しているとしか思えないジャケット写真が素晴らしすぎる
グイド・シーフェン盤をお勧めしたいと思います。 (こういうのも「ジャケ買い」というのだろうか・・・)

1915年に書かれ、翌年にレーガーは心臓発作で世を去りました(享年43歳)。
超不摂生なヒトだったそうですから、仕方ありませんが、早すぎる晩年にたどり着いた、シンプルで親しみやすい境地・・・、
もう少し長生きしたら、どんな面白い作品を残してくれたか思うと残念です。

(10.9.7.)


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