ショスタコーヴィチ/バレエ音楽「お嬢さんとならず者」
(ゴレンシュタイン指揮 ソ連国立交響楽団)
Amazon : The Young Lady and The Hooligan
ドミトリ・ショスタコーヴィチ(1906〜75)のバレエ音楽といえば、「ボルト」「黄金時代」「明るい小川」があります。
一部で「ショスタコ三大バレエ」と言われているとかいないとか。
「お嬢さんとならず者 The Young Lady and TheHooligan」(1962)は、
友人で編曲家のレヴォン・アトヴミャン(1901〜73)が、
ショスタコーヴィチのいろんな曲を編曲して構成した50分くらいのバレエ音楽。
もちろん作曲者公認です。
「三大バレエ」のほかに映画のための音楽や、チェロ・ソナタも使われているらしいです。
序奏 アダージョ (悲劇的で格調高い序曲)
ストーリーは、タイトルから想像して「こんな感じかな〜」と思ったら・・・びっくりするほどそのまんまでした。
不良がたくさんいる荒れた学校に臨時教師として派遣された女性。
彼女はひとりの不良少年と心を通わせ、少年も真面目に授業に通い始める。
しかし、不良グループの乱闘に巻き込まれそうになった彼女を助けようとして
致命傷を負った少年は彼女の腕の中で息を引き取る。
うーん、ひねりがないな〜。
もとは1918年に、ウラジーミル・マヤコフスキー(1893〜1930)とエフゲニー・スラヴィンスキーが共同監督した無声映画。
マヤコフスキーは、37歳で謎めいたピストル自殺を遂げた詩人です。
ショスタコーヴィチとも親しく、若い頃の作曲家に少なからぬ影響を与えました。
第3曲 ならず者 (不良たちの踊りかな。どことなくユーモラス)
ショスタコーヴィチ・マニアではないもので、原曲が何でどうアレンジされているのかはわかりません。
でも意外にと言っては失礼ですが、楽しい作品です。
まあ天才ショスタコの「いいとこどり」で構成されてるわけですから当然か。
ショスタコーヴィチにしても、何もせずに著作権料が入ってくるわけで、悪い話じゃなかったはず。
第9曲 シーン (激しい主部と瞑想的な中間部の対比が鮮やか)
ソ連では結構な人気バレエだそうで、1962年にレニングラードで初演されて以降、多くの劇場で上演され、
2001年にはサンクトペテルブルクのマリインスキー劇場のレパートリーに加えられたそうです。
第11曲 アダージョ (主役二人のパ・ド・ドゥ。独奏チェロが活躍)
50分程度と長すぎないのも良いのかな。
(2025.09.07.)
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