ハイドン/弦楽四重奏曲選集(アマデウス・カルテット)
(1964〜79録音 10枚組)



Amazon.co.jp : Haydn: 27 String Quartets, Seven Last Words on the Cross

Tower@jp : Haydn 27 String Quartets, Seven Last Words on the Cross

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<曲目>
「十字架上の七つの言葉」作品51
第1トスト四重奏曲集 作品54&55
第2トスト四重奏曲集 作品64
アポニー四重奏曲集 作品71&74
エルディーディ四重奏曲集 作品76
ロプコヴィッツ四重奏曲集 作品77

四重奏曲 作品103(未完)


ハイドンの弦楽四重奏曲といえば、

 @数が多すぎ(70曲弱!)

 A似たような曲ばっかり

 Bおまけに地味

といった理由から、全曲制覇の困難さではバッハのカンタータ、ハイドンの交響曲、スカルラッティのソナタなどと並び称されます。
個々の曲は親しみやすくて聴きやすいんですが、インパクトに乏しく強烈な印象を残さないのは事実。
とりあえず「ひばり・皇帝・五度」をカップリングしたアルバム一枚聴いとけばそれで十分という意見も一理あり。
そもそも全曲聴く必要なんてありませんしね。

しかし、タイトルついてないのも何曲かは聴きたいなぁと仰るそこのあなた。
かと言って全集はちょっとなと仰るそこのあなた。

アマデウス・カルテットの録音がオススメです。
10枚組27曲収録で、中期以降(作品51以後)をすべて網羅します。
ボックスセットで値段もお手頃。
7つのアダージョ楽章が連続するユニークな傑作「十字架上の七つの言葉」が収められているのもポイントです。

 なお私はずっと昔にバラで揃えた模様・・・(高かったよ!)。

アマデウス・カルテットは、3人のウィーンっ子とイギリス人チェリストにより1948年に結成。
1987年にヴィオラ奏者の死去により活動停止するまで40年間メンバーチェンジなしに活動し続けた驚異の団体です。
第1ヴァイオリンであるブロイニンの艶のある音色、ロマンティックな歌いっぷりの良さ。
他の楽器もそれぞれ主体的に動き、爽やかでイキの良いアンサンブルを構築します。
演奏者の感情のノリや思いがストレートに表され、輪郭クッキリ、強弱ハッキリ。
歌いまわしもたっぷりと表情豊かでありながら、抜群の落ち着きと品位を保っています。

 ハイドン:弦楽四重奏曲 作品76−1
 

古楽器以前、アルバン・ベルク四重奏団以前の、古き良きカルテットの完成形のひとつ。
最近の古楽器による演奏もいくつか持ってるんですが、結局ここに帰ってきてしまうんですね。
安心して聴ける、心の故郷のような演奏です。

(2016.10.01.)


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