吉松隆/鳥たちの時代
(1991 初出)


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Tower@jp : 「鳥たちの時代」/吉松隆 作品集


<曲目>
朱鷺によせる哀歌
チカプ
鳥たちの時代
デジタルバード組曲
鳥の形をした4つの小品
交響曲第2番「地球にて」



皆様は、「鳥」はお好きですか?

私はわりと好きでして、とくに「カワ」「ハツ」のところが(焼き鳥の話かい!)

・・・ええと、食べ物としての「鳥」は好きですが、生き物としてはどうかというと・・・。

我が家の裏は神社でして、小さな林になっております。
虫なども多く生息していて、必然的に鳥も多く集まるのでしょうか、家のポーチに置いてある車には、よく鳥たちの「落し物」が付着します。

出勤時、フロントグラスの真ん中に白い飛沫がついてるのを見つけたときはちょっと慌てますねー。(じ、時間が・・・)
ボディについてるだけならほっとくんですけど。
「屋根のついた駐車場がほしい!」と、心の底から思う瞬間です。
結局思うだけですけど・・・(ため息)。


 それでも、鳥が空を飛ぶ姿は美しいものです(←あからさまにとってつけたようだな!)


さて、現代日本を代表する作曲家のひとり、吉松隆は、その初期に「鳥シリーズ」と呼ばれる一連の作品を書いています。

それらをまとめた2枚組アルバム「鳥たちの時代」は、ながらく入手困難になっていましたが、2009年8月にめでたく再発売されました。
おまけに安くなっていますから、二重にめでたいです。

 2940円ですが・・・・。

「え、それで安いの?」
と言われるかもしれませんが、1991年に私が買ったときは5634円(税込み)もしたんですよ(←それにしても半端)

今は複数の録音が存在している曲も多いですが、この「鳥たちの時代」は、ほとんどがライヴ録音のためか、熱気にあふれた演奏が多いのが特徴。
とくに名曲「朱鷺によせる哀歌」に関しては、最高にテンション高い演奏を聴くことができます。

 朱鷺によせる哀歌
 

私は2枚目に収められたフルートとピアノのための「デジタルバード組曲」が大好きです。
5つの曲には「鳥恐怖症」「夕暮れの鳥」「さえずり機械」「真昼の鳥」「鳥回路」という
洒落たタイトルがついています。
作曲者はこの曲について

 「鳥恐怖症の鳥が魔法の笛にでも導かれて故郷の森を去り、
  諸国を遍歴し、奇妙な鳥たちに出会いながら鳥として成長してゆく(のか破綻してゆくのか)
  というような物語ではないかと思われる」

と、テキトーなことを語っています。
軽やかで気まぐれな感じがとても好みです。
デジタルバードなら糞はしませんしね。(結局そこかい!)

 デジタルバード組曲・第1曲「鳥恐怖症」
 (このCDの演奏ではありません)

また、初期吉松の最高傑作とも言われる
交響曲第2番「地球にて」は、初演時のライヴ録音が収められています。
呪術的な第一楽章からだんだん盛り上がってゆき、ミニマル風祝祭音楽(?)である第三楽章の狂騒的なまでの盛り上がり!

 第1楽章「東からの挽歌」
 

 第2楽章「西からの鎮魂歌」
 

 第3楽章「南からの雅歌」
 

最後の拍手までしっかり収録されていて、
吉松ファンは必聴であります。

(09.9.2.)


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