ブラガ・サントス/交響曲第2番ほか
Alvaro Cassuto 指揮 ボーンマス交響楽団




Amazon.co.jp : Joly Braga Santos: Symphony No. 2/ Crossroads

HMV : Braga=Santos/Symhony No.2 icon


ポルトガルが生んだ孤高の天才、ジョリ・ブラガ・サントス(1924〜1988)は
6曲の交響曲を残しています。
第1番(1946)から第4番(1951)までは、古典的で晴れやかな名曲ぞろい。
第5番(1966)と第6番(1972)は、やや前衛的。

辺境の地ポルトガルで、ヨーロッパ音楽の本流から距離をおき、自由に作曲していたブラガ・サントス
ところが第4番まで書いたところで、「前衛音楽」なるものに影響されてしまい、第5番から「プチ転向」してしまったみたいですね。
第5,6番も決して駄作ではありませんが、個人的には第4番までの古典的ロマンティック路線が好き好き大好き超愛してるだったりします。
不思議なことに4曲とも、聴いていると海を連想します。

以前、第1&5番第4番をご紹介しました。

 今回は交響曲第2番(1947)を。

いやあー、なんというスケールの大きさ、ダイナミックな響き、輝くばかりの交響曲でしょう!
48分を超える大作! しかーし! 一瞬たりとも退屈しません・させません!
まったく、これがわずか23歳の青年の作品とはっ!!

第1楽章 ラルゴ〜アレグロ・エネルジコ・エ・アパッショナート
短いイントロにつづき、渦巻く波のような弦に乗り金管が奏でる勇壮な第一主題。
船に乗り、冒険の旅にいざ出発! って感じです。
このノリに思わず「NHK大河ドラマかっ!」と突っ込んでしまったアナタはもうブラガ・サントスの術中に。

 

第2楽章アダージョ・ノン・トロッポは夜の海。
水面に映る月、潮の香りを含んだ優しい風を感じる、静かに澄んだ緩徐楽章。

 

第3楽章アレグレット・パストラーレ。
のどかなスケルツォ。 凪いだ海の上を滑るように飛び交うカモメの群れを見るようです。

 

第4楽章は静かな序奏にはじまり、徐々に力と明るさを加えてゆきます。
海の夜明けを連想します。
そこから、勇壮なアレグロ、抒情的な歌、軽妙なフーガなどが次から次へと乱れ飛ぶ、めくるめく音の饗宴に。
最後は、夢見るような優しいメロディを存分に歌いながら、堂々と輝かしい終結へ。

 

郷愁を誘うメロディ、色彩豊かなオーケストレーション、映画音楽のようですが俗っぽくはなく、気高さを感じさせます。
もう大変な傑作だと思うんですけどー。
聴いて損はありませんよー、いや聴かないと損ですよー、力強くオススメいたします。

(10.2.19.)


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