ブラガ・サントス/バレエ「アルファーマ」ほか
(アルヴァロ・カッスート指揮 ロイヤル・スコティッシュ・ナショナル管弦楽団)



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<曲目>
交響的序曲 第3番
ヴィアンナ・ダ・モッタの思い出に捧げるエレジー
バレエ組曲「アルファーマ」
管弦楽のための変奏曲
3つの交響的スケッチ



20世紀ポルトガルが生んだ天才作曲家、ジョリ・ブラガ・サントス(Joly Braga Santos, 1924〜88)。

ワタシこの人の交響曲を聴くとわけもなく帆船に乗って冒険の旅に出発したくなってしまいます。
交響曲第2番なんて「めざせ新大陸!」って感じで気分はもう海賊、血沸き肉おどるんですよ。
これは彼の管弦楽曲を集めたアルバムで、期待にたがわぬ傑作ぞろいであります。

最初に収められた「交響的序曲 第3番」(1954)
ゆっくりした序奏にソナタ形式のアレグロが続く古典的な構成ですが、2:25から始まる主部が嬉しくなるほどブラガ・サントス節全開。
主題はどれも伸びやかで爽やかで健康的、潮風の香りがします、寄せては返す波の響きがします、大海原の向こうに広がる水平線が見えます。
どの交響曲にも劣らない充実の名曲です。



ところでブラガ・サントスの曲には強力な映像喚起力があります。
この曲も映画のような場面や綺麗な風景が走馬灯のように脳裏に浮かびます(死亡フラグかよ)。

「ヴィアンナ・ダ・モッタの思い出に捧げるエレジー」は、1948年に亡くなったポルトガルのピアニストに捧げられた曲。
作曲者24歳の作品ですが、すでに交響曲第1番と2番を発表している天才の老練で深みをたたえた響きにはただただ感服。



「アルファーマ」(1956)は一度上演されたきり忘れられたバレエで、未出版の作品。
本CDの指揮者カッスートが作曲者の遺品から手稿を発見したそう。
アルファーマとはポルトガルの首都リスボンの東側の下町で、最古の町並みを残す地区。
古くはアラブ人が住んでいたそうで、現在も迷路のような路地や坂道が由緒ある教会や建物と混在しているそうです。
バレエのストーリーは不明ですが、とても楽しい音楽です。

第3曲「パ・ド・トロワ」(のんびりした親しみやすいメロディが魅力的)



第8曲「炎の周りの少女たちの踊り」(アラビア風のお洒落な曲)


「管弦楽のための変奏曲」(1976)は現代音楽っぽくてちょっととっつきにくいです。
ブラガ・サントスは1970年ごろから前衛的な作風に転換し、無調の曲をたくさん書くようになりました。
悪い曲ではないですが、こういう音楽ならブラガ・サントスじゃなくても作れる人たくさんいるよね・・・と思っちゃいます。
くっきりしたメロディと明るい響きこそがブラガ・サントスの持ち味だと思うのであります。



「3つの交響的スケッチ」(1962)は「架空の映画のためのサウンドトラック」とでも呼びたい映像的な音楽。
1曲目は冒険アクション映画にぴったりのアレグロ。



スリルと緊張に満ちた第2曲ラルゴはホラー・サスペンス映画にどうですか。スパイものにもよさそう。



活発な第3曲アレグロは波乱万丈な歴史戦争映画に合いそうです。スペクタクルな合戦場面が思い浮かびます。



(2020.05.29.)

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