Joly Braga Santos/交響曲第1&5番
(Alvaro Cassuto指揮 ポルトガル交響楽団)
Amazon.co.jp : Joly Braga Santos: Symphonies Nos. 1 & 5
ポルトガルの作曲家・ブラガ・サントス Braga Santos (1924〜1988)、初聴きです。 よろしくお願いいたします。
ポルトガル、と言えば思い浮かぶのは、・・・カステラと火縄銃かなあ (いつの知識じゃ)。
ミドだかファドだかいう音楽もあるそうですが、・・・聴いたこと無いなあ。
さてさて、どんな交響曲だろーかと思いながら聴いてみると、良かったのです、これが。
交響曲第1番(1946)は、22歳で書いた出世作。
後期ロマン派風です。 現代音楽ではありません。
イギリスや北欧の交響曲に近いものを感じます。
冒頭チェロに奏でられる音型は、全曲を統一するフレーズ。 ここから様々の主題が生まれます。
第1楽章は長〜い序奏をもつソナタ・アレグロ。
序奏でヴィオラ・ソロが奏でる哀愁のメロディ(2:15〜)は、変形されてエネルギッシュな第一主題(6:00〜)に。
この第一主題、ちょっと土俗的で、わが国の伊福部昭を連想。
第二主題はとうとうと流れる川のような幅の広い叙情的な旋律で、これまた魅力的(7:12〜)。
第2楽章はアンダンテ。 2分過ぎのフルート・ソロ、続くチェロのフレーズに思わずうるっと。 これ泣けるっす。
第3楽章アレグロ・アッサイは、元気良く突進するフィナーレ。 静かな中間部を経て、最後はテンポを落とし、感動のエンディングへ。
・・・メロディセンスはGOOD、オーケストレーションも巧み、ホントいい曲でした。
ヴォーン=ウィリアムズやウォルトンの影響を受けているとのことですが、いえいえ充分個性的だと思います。
交響曲第5番(1965〜66)は、かなり現代音楽風。 でも決して聴きにくくはありません。
旅行で訪れたアフリカの民族音楽に影響を受けたそうで、通常のオーケストラに加え12名の打楽器奏者を必要とする大編成です。
とくに第2楽章が印象的、チェレスタがリズミックに使われ、音の万華鏡を繰り広げます。
もちろん他の楽章も聴きどころたっぷりです。 とても気に入りました。
第2楽章 Zavala:Moderato (アフリカ民族音楽風な音の万華鏡)
第4楽章 Allegro energico ed appassionato (推進力抜群のフィナーレ!)
ブラガ・サントスは全部で6曲の交響曲を書いているそうです。
・・・これは全部聴かなきゃですね。 ひゃあ、また財布が軽くなる。
(06.10.1.)
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