フランセ/クラヴサン協奏曲 ほか(WERGO)
(ジャン・フランセ:クラヴサン ほか)



HMV : Francaix/Concertos


ジャン・フランセ(1912〜1997)は、20世紀フランスの作曲家。
メシアン、デュティユーなど、フランス現代音楽の巨匠たちとほぼ同世代ですが、
むしろ一世代前の「六人組」、とくにプーランクを継承するような、古典的で軽妙な曲を作りました。
たとえれば、プーランクをさらに能天気で遊び人にしたような、というか・・・(本当に遊び人だったかどうかは知りません)

ご本人は、9歳のときに 「サン=サーンスの遺志を継いで、偉大な作曲家になる」 と誓ったそうで、早熟でしっかりした子供だったんですね。 
ドビュッシーでもラヴェルでもなくサン=サーンスというところが、まったくもってこの人らしい。
10歳から名教師ナディア・ブーランジェに師事し、14歳でパリ音楽院に入学します。

「クラヴサン協奏曲」は、1959年の作品。
クラヴサン=チェンバロ=ハープシコードという公式が成り立ちます。
クラヴサンの分散和音の上を、弦のピチカートやフルートが楽しげに飛び交い、まるで花が咲き乱れているよう。
ただし、田園風景というより、賑やかな街の花屋の店頭を連想します。
美人の店員さんがにっこりしていたりする、晴れた朝の花屋さん。
都会的で洒落た雰囲気、機知と優雅さ、ユーモアとウィット、洗練と気品。
和声は20世紀風に斬新なところも多く、不協和音も適度に用いられますが、枠組みは古典的。
しかし、その「枠の中」で陳腐に陥ることなく、オシャレで新鮮な音楽を作ることがいかに困難か。
涼しい顔してすごいことを成し遂げていると思います。

 

このCDには他に、「ピアノ三重奏曲」(1986)、「ギターと弦楽合奏のための協奏曲」(1982〜3)が収録されています。
どちらの曲にも「クラヴサン協奏曲」と同じことが言えます。

 フランセ/ピアノ三重奏曲
 

メシアンデュテュユーは、20世紀音楽史上重要なフランス人作曲家であり、もし彼らが存在しなければ、現代音楽の世界は、ある程度変わっていたことでしょう。
逆にもしフランセが存在しなかったとしたら・・・・まあー、どーということもなかったでしょうね
音楽の歴史において革命的なことは何一つやってませんから、この人。

それでも私はフランセの音楽が大好きです。

(06.1.2.)


P.S. 本アルバムは2013年現在入手困難ですが、このほどナクソスからフランセ/クラヴサン協奏曲を収録したCDが発売されました。 → こちらです


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