ウストヴォルスカヤ/ピアノ独奏曲全集(2枚組)
(ザビーネ・リーブナー:ピアノ)



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<曲目>
12の前奏曲
ピアノ・ソナタ第1番〜第6番



さきごろ、モイセイ・ヴァインベルクのCDを一度に5枚も出してくれやがったNEOSというレーベルから、
こんどは、ガリーナ・ウストヴォルスカヤのピアノ独奏曲全集が出ました。
まるで私の好みの秘孔を突くかのような、恐ろしいほどのリリースぶり。
ウストヴォルスカヤのピアノ独奏曲は、ほかの演奏で持っているのですが、思わず買ってしまいましたよ(←思う壺)

さて、

 ショスタコーヴィチを振った女

あるいは

 ロシア作曲界の鋼鉄の女

とも呼ばれるガリーナ・ウストヴォルスカヤ(1919〜2006)。
作品数は多くないものの、ショスタコーヴィチの弟子の中でも先鋭的な作風で知られ、師ショスタコーヴィチをして、

 「私が君に影響を与えているのではない、むしろ私のほうが君に影響されている」

と言わしめたほどの個性の持ち主。
その後ショスタコーヴィチとも決別し(というか振り)、生涯独身を貫き、人づきあいもほとんどせず、
サンクト・ペテルブルクで死ぬまで隠者のように暮らしたそうです。

作品は基本的に無調であり、たたきつけるような音、激しく破壊的な響きが特徴的。
荒涼たる平野に一つ一つの音が屹立しているような印象を与える厳しい音楽です。

 ウストヴォルスカヤ:12の前奏曲
 

要するにブッキラボーでとっつきにくいのですが、ならば冷たい音楽かと言うとそうではなく、むしろ熱く力強いものを感じるほど。
なぜか聴いているとだんだん背筋が伸びてきます。
怖い女先生に怒られているような気がしてきます。

そう、基本的にこの人の音楽は怒っているのです。
いったい誰に対して? 何に対して・・・・・・?
よくわかりませんが、何かに向かって不屈の闘志を燃えたぎらせています。
そして、聴き終えるとなぜだか元気が出てきます。

・・・・・・と、手放しで褒め上げている私ですが、じつはYou Tubeのコメント欄は賛否両論、
「まさしく天才だ!」 「まったく独創的!」という意見と、「単なる騒音」 「こんなの音楽じゃない」という意見が拮抗しています。

あなたはどう思われますか? ぜひぜひご自分の耳でお確かめ下さい。

 ウストヴォルスカヤ:ピアノ・ソナタ第5番より
 

(2012.1.18.)




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