ガリーナ・ウストヴォリスカヤ作品集
Amazon.co.jp : Ustvolskaya/ Composition No.2 'dies Irae' Sonata No.6 Grand
Duet
HMV : ガリーナ・ウストヴォルスカヤ作品集
Tower@jp : Ustvolskaya/Composition No.2 "Dies Irae", Sonata No.6,
Grand Duet
<曲目>
コンポジション第2番「怒りの日」
ピアノ・ソナタ第6番
チェロとピアノのためのグランド・デュエット
突然寒くなりました。
こないだまで半袖パジャマでタオルケットお腹にのっけて寝ていたのに、3日ほど前に、起きると寝室の窓にびっしり結露が。
「冬じゃー!」
突然の冬将軍の来襲に我が軍は総崩れ。
早くも風邪をひいてしまいました。
と言っても四国なんでたいしたことはないんですけどね。
単に私がヒヨワで軟弱なだけ。
さて、冬になると聴きたくなるのが「怒れる鋼鉄女」にして「ショスタコーヴィチを振った女」
ガリーナ・ウストヴォリスカヤ(1919〜2006、ウストヴォルスカヤとも表記)の音楽。
この人の音楽はどれも、何かに対して言いようのない怒りをぶつけているような印象で、寒い日に聴くと、心まで凍りつくようです(自虐的)。
それでも我慢して聴いていると、身体の奥から不思議なエネルギーが湧いてきます。
縦横無尽、豪放磊落、天衣無縫に怒り狂う音の響きに、心がスカーッとします。
「いやあー、怒ってる怒ってる、あはははははは」
って感じですね。
このアルバムは、2010年の最新録音で、すべてライヴ。
ウストヴォリスカヤの代表作3曲を収録しています。
彼女の凶暴で激烈な音楽に初めて触れようという、モノ好きで怖いもの聴きたさの方におすすめです。
コンポジション第2番「怒りの日」は、楽器編成からしてブッ飛んでます。
8台のコントラバスに、木の箱に、ピアノです。
「木の箱」って・・・。
あるときは激しく、あるときは瞑想的な音塊が、聴く者のハートを直撃します。
コントラバス8台もたいがい凄いですが、しかし「木の箱」って・・・やっぱり棺桶のメタファーなのか?
ピアノ・ソナタ第6番は、ただひたすらガンガンガンガン。
冒頭からffff(フォルテが4つ)です!
鍵盤を拳または手のひらで叩くことを指定されている箇所もたくさん。
いわゆるトーン・クラスター。
ならばめちゃくちゃな曲なのかといえばさにあらず、音楽の姿は意外なほど凛としてたくましく、聴く者の耳を捉えて放しません。
ピアニストは思い切り鍵盤ぶん殴って、さぞやストレス解消になるんじゃないでしょうか(?)。
チェロとピアノのためのグランド・デュエットは、5つの楽章からなるチェロ・ソナタ。
珍しく、穏やかでロマンティックな箇所すらありますが、
全体としては緊張感に満ちた、パワフルでエキサイティングなガテン系チェロ・ソナタ。
私はこれ聴くと、無性にコーフンしちゃうのであります(←変)。
第1楽章
いやあー、風邪もどこかへ吹っ飛んでしまった気分。
やっぱりウストヴォリスカヤのパワーはすごいっす。
「毒をもって毒を制する」と言うんでしょうかね(←言わない)。
(2013.11.13.)
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