シルヴェストロフ/TOUCHING THE MEMORY
(アレクセイ・リュビモフ:ピアノ ほか 2018)



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ひとたび聴いたその時から、心のノスタルジー中枢を甘噛みして離れないヴァレンティン・シルヴェストロフ(Valentin Silvestrov, 1937〜)のCDが
廉価版レーベル、ブリリアントから発売されました。
以前、「交響曲第4&5番」をご紹介しましたが、今回は小編成の曲を集めたアルバムです。
お安うございますからねえ、シルヴェストロフ中毒者が増えるのではないかと心配です。
収録時間はたっぷり78分、いざ覚悟!

最初におさめられた「ピアノと弦楽のための4つの後奏曲」から、いきなりもっていかれます。



な、懐かしい・・・。
なんだかわからないけれど闇雲に「懐かしい!」という情動が発動します。
浜辺で見た夕焼け、幼馴染と遊んだ公園、故郷の古い家・・・・。
懐古、郷愁、感傷、追憶・・・・・・心が過去に向かって飛びます。

弦楽のための6つの小品より「エレジー」


ソプラノ独唱をフィーチャーした曲もあります。
これはちょっと現代音楽ぽいですが、浮遊感と緊張感の絶妙なバランスが心地良い。

"Moments of Poetry and Music"より第1曲


ピアノ独奏曲もあります。

ピアノのための3つの後奏曲から第1曲


ずーっとこんな感じで78分。
ブライアン・イーノやハロルド・バッド環境音楽に通じるものも感じますが、シルヴェストロフはつねに「感傷」がまとわりついています。
しかも徹底的に内向きかつ後ろ向き。
「元気出して進もう!」とか「一緒に乗り越えよう!」とか「24時間働けますか」的要素は全くありませんが、
暗い部屋で膝を抱えて聴いていると何とも言えない心地良さが(←ちょっとアブナイ)。

じつは途中で眠くなってしまい、まだ最後まで聴き通せていないのですが、「まあ、べつにいいか〜」と思えてくる優しい音楽です(←コラコラ)。

弦楽のための「聖歌 2001」


(2019.03.23.)


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