ハロルド・バッド&ブライアン・イーノ/
The Plateaux of Mirror (鏡面界)




Amazon.co.jp : Ambient 2: The Plateaux of Mirror

HMV : Harold Budd / Brian Eno/Ambient 2 - Plateaux Of Mirror


ブライアン・イーノといえば、U2トーキング・ヘッズのプロデューサーとしてのほうが通りが良いかもしれません。
でも私は、70年代末〜90年代にかけて発表された、彼の「アンビエント・ミュージック(環境音楽)」の大ファンであります。

とくに1980年発表の、The Plateaux of Mirror (鏡面界) 。
ピアノがメインの、ミニマル・ミュージック風環境音楽。
今でも自然科学系ドキュメンタリー・フイルムのBGMなどに、よく使われます。
透明な音が自在に浮遊するこの心地よさ、なんと表現すればよいのでしょうか。
けだるくリラックスしているようで、はりつめた緊張感も感じられる純度の高い音楽。
このアルバムでは、ブライアン・イーノより先にハロルド・バッドの名がクレジットされています。
バッドは1936年生まれの作曲家で、”Radical Simplicity" を追求しているアーティスト。
このアルバムでは、バッドのミニマリスティックなピアノに、イーノがコラージュ風にからむ構成になっています。

 First Light
 
 

エリック・サティは、「家具の音楽」を提唱しましたが、イーノのアンビエント・ミュージックはそれをさらにおしすすめた、「壁紙のような音楽」
「聴き流しても良い音楽」というより、「積極的に聴き流すために作られた音楽」。
前作、「ミュージック・フォー・エアポート」(1979)は、その名のとおり空港のBGMであり、空港での雑踏やアナウンスの響きを計算に入れて作られています。
これも名盤ですが、やはり音楽としての味気なさは否定できません。
一方この「鏡面界」は、逆にあまりにも美しいがゆえに、製作者の意図に反して、BGMとして聞き流されることを、音自体が拒否しているようにも思えます。
とても素晴らしい音楽なのですが・・・。

「環境音楽」って、意外とむつかしいものですね。

 The Plateaux of Mirror
 

(02.4.6.記)

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